学園ブログ

中等部3年「橋のない川」上映会

6月1日(土)10:50より中等部3年生を対象に「橋のない川」の上映会を行いました。映画を鑑賞した後、この映画を手掛けた東陽一監督をお招きして講演会を行いました。鑑賞した生徒の声を紹介します。

差別とは世界が約束した人権という大切な権利をないがしろにする行為。知識として知ってはいても授業で教えられたという認識にとどまりあまり気にしたことはありませんでした。しかし「橋のない川」を鑑賞し東監督の講演会が終わると私は差別について深く考えさせられました。そうさせたのは「部落差別を映画のテーマとして扱うことで誰かを傷つけてしまうとしても、それをなかったことにしてしまうのはいけない」という東監督の一言でした。部落差別について表現することも、口にすることもよくないことだからしない。果たしてそれでいいのでしょうか。今、日本が戦争をしないのは過去に幾度となく起こった惨劇によって学んだからです。大切な人を亡くした人たちが悲しむから戦争の事実を伝えないというのではなく、大切な人を亡くした人たちがこれ以上同じ思いをする人が増えることを望まなかったから戦争の事実は伝えられたのです。差別も同じです。繰り返さないために私たちは事実をどのような形にしろ見つめる必要があるのだと思います。「橋のない川」を一度見るだけでは見えてこなかった部落差別という差別の全体像について東監督の講演後は様々な角度から捉えることが出来ました。それを踏まえた上で、もしも私たちが将来差別的発言を身近で聞くことがあったときどうするか。それが東監督が手がけた「橋のない川」からの私達への宿題ではないかと感じました。  (中3 M・O)