学園ブログ

初めてのコアプログラム

10月14日(土)に、第一回コアプログラムが行われました。コアプログラムは本校の3期分けに応じて、学年ごとにテーマを設定し、それに沿ってさまざまな体験や研究をしていきます。

中等部1年生のテーマは、知的好奇心を広げ幅広い知識を得ることです。年間を通して5種類の講座を受講し、経験を積んでいきます。

初めに、「音のない世界をのぞいてみよう」から紹介します。聴覚障害を持つ方と手話通訳(卒業生)から、コミュニケーションの方法などを学びました。手話だけでなく、口話、指文字、空書きなど様々なやり方があります。

講師の一人、森順子さんは、難聴の方です。森さんは、初めて自分にぴったり合う補聴器をつけたときの喜びをこんな風に話してくださいました。偶然デパートの時計売り場を通りかかったとき、これまで聞いたことのないカチカチ…という音が一斉に聞こえたそうです。最初は何の音かわからなかったけれど、時計売り場を離れるとその音が消え、また売り場に行くと聞こえた。「これが、時計の秒針がうごいている音なのだと、初めて日常生活の中の小さな音に気付いたとき嬉しかった」と。

聴覚障害があることで困っていることや、電車の中などで周りの人ができる手助けもアドバイスいただきました。休憩時間も惜しいほど、生徒たちは質問を黒板に書きながら教わりました。休み時間も習ったばかりの手話でお互い自己紹介する声が響きました。初めて出会った「音のない世界」。これからの生活に生かしていきたいと生徒は感じているようです。

(担当 二井)

続いて、「SNSのしくみと使い方」という講座を紹介します。この講座では、LINEやTwitterなどのSNSとどのように向き合っていくかを学んでいきます。

初めにビデオを見て、便利なSNSにも落とし穴があるのだということを学びました。生徒たちは、相手の顔が見えないことによる誤解の生じやすさや、情報が拡散されることの怖さを感じることができたようです。

そして、グループLINEでの事例を見て、自分だったらどのように返信をするか考え、友達と話し合いました。話し合いは大いに盛り上がり、積極的に挙手して発言することができました。

Twitterにおける情報の拡散についても友達と話し合いました。どこまで許すかというのは、人によって異なるのだということを身をもって感じることができたようです。

最後に、「生き方入門~終末期医療とリヴィングウィル~」・「自分を知り、未来の可能性をチャレンジするためには」という講座を紹介します。

1限は、終末期医療という、生徒にとっては少し重い内容ですが、生徒たちは真剣に先生のお話をきいていました。終末期の医療について、初めて知ったという生徒も多かったことと思います。今まで考えたことがなかった生徒も、これを機に自分の考えをしっかり持つことができたのではないでしょうか。

2限も引き続き、生き方について考えます。「青春」「好奇心」「一所懸命」というキーワードのもと、先生のお話をききました。よりよく生きていくにはどうしたらよいか、自分なりに考えてみるきっかけになればよいですね。

コアプログラムはまだ始まったばかりです。こういった講座を通して、生徒一人一人が新しい世界に触れ、実際に体験し、知的好奇心の幅を広げていくことができれば大変嬉しく思います。

(担当 明田川)