田園調布学園中高2021
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国語 「読解力」「思考力」「表現力」の向上と、自分の視野を広げ思考を深める学びや活動を主体的に行えることをめざし、授業を実践しています。教科ルーブリックの下、各学年において教材や単元ごとに適宜自己評価や他者評価を取り入れ、定期考査後にもルーブリックによる振り返りを行うことで、具体的に自分の現状と今後の課題を把握しその後の取り組みにつなげる仕組みを作っています。 中等部1年・中等部2年では、教科書を中心に読み、言葉を正確に理解しながら読解力を身につけ、自分の意見を適切に表現するために「読む、書く、聞く、話す」ことの基礎力を養います。中等部3年・高等部1年では教科書以外の作品を掘り下げて読むことで、読解力をさらに深め、物を見る視点を広げていきます。高等部2年・高等部3年では、現代文は現代社会とのかかわりを意識しながら、古文は時代背景や思想と関連させて読み、読解力、分析力、思考力など総合的な力をつける授業を展開しています。 また、図書館と連携をして、授業で読解している教材に関しての図書・資料展示や調べ学習時の選書アドバイスなども行っています。中等部2年では、「14(イチヨン)」という教員、司書のおすすめ本の冊子を作り、一冊読み終わるごとにシールをはって自分だけの読書マップを作るという取り組みも行っています。■授業の紹介実施学年科 目テ ー マ授 業 内 容中1国語お気に入りを紹介しよう(スピーチ)自分のお気に入りを、スピーチの形でクラスのみんなに紹介し、その魅力を伝えます。①話題探し(自分を知ってもらうのに適していて、聞き手にとってもおもしろさや価値があるものを探す)、②どんな内容にするか(好きな理由やエピソードなど)、③スピーチの構成(わかりやすく伝わる内容や話す順番を考える)、④提示するものやパフォーマンスの工夫(実物・写真・音楽・ビデオ・実演など)を考えて、スピーチを行います。その際、「人に伝える」ことを意識した表現(声・速さ・目線・間の取り方など)を心がけます。友人の発表にはコメントを記入し、各自がそれを見ながらスピーチを振り返ります。自己評価・他者評価を通して、自分の達成度や課題を認識し、次へつなげていきます。中等部古典古文に親しむ、古文の世界を知る『竹取物語』『伊勢物語』『源氏物語』オリジナル冊子を使い中1では『竹取物語』中2では『伊勢物語』中3では『源氏物語』に親しみます。それぞれ、長期休暇中などに現代語訳の付いた文庫本をテキストにして範囲を決めて読み、冊子に書き込む形で、章段のタイトルを自分でつけたりあらすじを書いたり人物関係を整理したりします。古文の世界に親しむために、授業でも当時の考え方や服装、生活などについて補足し、当時の人々がどのような気持ちで表したものかに思いを馳せつつ作品世界を味わいます。文章を大きくとらえることや作品の精神世界を知ることが、高等部での古文読解に生きていきます。高1現代文学習体験旅行事前学習九州学習体験旅行の事前学習として、『苦海浄土』、『祭りの場』、『故郷忘じがたく候』の三作品を読みます。それぞれの小説の主題を読み取り、感想や意見文をクラスで共有することで作品や背景の理解を深めます。また、ディベート等の活動を通して意見交換することで、「環境問題」や「戦争」などの歴史的背景や事実をより深く探究し、社会的な視点を身につけていきます。高2現代文『こころ』(夏目漱石)『こころ』を読み、小説の展開においてポイントとなる課題について、グループごとに検討します。自分とは異なる他の人の解釈を知り、文章を詳細に読み込んでいくことを通して、正確な読解力を高めていきます。高3現代文小論文『科学論』などの課題文を読んで小論文を作成し、生徒同士で読み合い、構成や論の展開などについて具体的にアドバイスをしあいます。その意見や教員の添削をもとにリライトをして、思考を深め、表現力を磨きます。その後、「言語」「環境」などのテーマに沿った評論文を読み、さらに考えを深めていきます。31

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