■数学×美術中等部1年の代数では、反比例の単元で学習した歯車の回転数と歯の関係を応用した、「デザイン定規で描く模様の謎解き」を実施。小学生の頃に遊んだことのあるものに数学が隠れていることを学び、数式を解くことでどのような模様が描けるかをイメージします。さらに描いた模様を違うものに見立てる遊びを通して、思考力・創造力を伸ばします。■物理×音楽中等部3年の音楽で行う弦楽器の授業では、物理の「弦の振動」をとりあげます。自分たちの演奏をオシロスコープで見て、音とは何か・音の高さや音色の違いは何と関係があるのか、などを学びます。音の物理的な性質を知ることで、演奏の際に大切なポイントにも気づきます。また、高等部1年の物理では、楽器(弦・気柱)の仕組みを学習します。その理論を活かし、音階の波長を計算してストローの笛を製作します。その笛で、班ごとに好きな曲を奏でます。■数学×音楽サイコロの出た目で作曲する、モーツァルトの『音楽のサイコロ遊び』を通して、和音や“偶然性の音楽”について学習。その後、サイコロの出た目の統計表を確認したり、ある終止形が出る確率を計算したり、どんな曲ができやすいか考察したりするなど、統計と確率の視点で自身の作品を分析します。■数学×地理高等部2年の地理では、球面三角法という高度な数学を背景にした公式を用いて、緯度・経度の位置情報から、地球上の2点間の距離を計算する方法を学びます。世界地図と数学のかかわりについて一歩踏み込んだ内容を知ることができます。■倫理×美術高等部2年の倫理では、学んだ思想のなかから関心を持ったものを一つ取り上げ、それをテーマに班で造形物(コラージュ)を作ります。教科書、資料集、図書館にある原典を使って特徴をよく吟味して解釈し、雑誌の切り抜きを活用して色や形に表します。この活動により、言語から得られた情報を視覚的に表現することで生徒の創造力を養います。さらに、同じテーマでも全く違った解釈で表現された多様な造形物を見ることで、他者との捉え方の違いに気付くことができます。知識と技術・感性をつなぐ教科横断型授業社会で生きる数学の力の修得本校の数学の授業では、身近な生活に関わるテーマを多く扱います。たとえば、中等部1年では、コンビニ弁当の温め時間を題材に反比例の学習をしたり、中等部2年では、缶や果物を箱詰めする際、効率良く詰め込むための方法を図形的に考察したりするなど、いろいろな場面に数学が潜んでいることを体感することにより、生徒たちの学習意欲を向上させています。また、統計の指導にも力を入れ、中等部3年では統計検定(日本統計学会認定試験)の問題を題材にした授業を行ったり、高等部1年では土曜プログラムのコアプログラムに「身近なデータから分かることを統計学で分析しよう」講座を設置し、生徒たちが実際に集めたデータを分析したりすることを通して、情報過多の現代を生きるための統計リテラシーを身につけられるようにします。倫理×美術生徒作品「無知の知」07
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