理科Ⅱ×地理(中1)国語×美術(中2)音楽×数学(中3)物理×数学(高2)情報×物理(高3)美術×地理×歴史×英語(高3) 中等部1年の理科Ⅱでは、地震の起こる仕組みや地震によって引き起こされる災害について学習します。それをベースに、地理で学習したハザードマップなどを用いながら、地震によって自宅周辺などにどのようなリスクがあるかを考え、自身が行っている地震への備えや対策を振り返ります。 地震大国の日本だからこそ、地震のしくみを論理的に理解することで、災害を自分事ととらえ、何をすべきか具体的に検討する場となります。 中等部2年の国語では、「君は『最後の晩餐』を知っているか」(布施英利 光村図書)という美術作品をテーマにした評論教材を扱っています。 この文章は作者が、レオナルド・ダ・ヴィンチの名作である『最後の晩餐』を「かっこいい」という言葉で評価しており、その根拠を絵画の技法である「遠近法」「明暗法」「解剖学」などの言葉を用いて、科学的に説明しているものです。読解をより深めることを目的として、美術の教員から本文中の用語である「美術の絵画技法」について専門的な説明を行います。さらに文章で表現されていることを実際に演じる体験を通して、より具体的なイメージとして捉えることができます。 このような活動によって、評論文を正確に読解するためには、様々な分野の知識を持っておくことも大切であると生徒は気づくことができます。 中等部3年の音楽の授業ではモーツァルトの「音楽のサイコロ遊び」を題材に創作の授業を行います。 当時の生活文化に思いを馳せながら、サイコロの出た目にしたがってChromebookで作曲。できあがった曲を聴き比べながら、和声の働きや「偶然性の音楽」についての学習につなげます。 その後、今度は数学の統計や確率の視点で考察します。できあがった曲を数式で分析し、新たな発見が生まれる授業です。 物理で扱う振り子の振動は、2次元に拡張した際、おもしろい動きをします。この動き(軌跡)をグラニュー糖で描く授業です。 この軌跡はリサージュ曲線といい、数学ではコンピューターで描いていましたが、物理と数学が横断型授業を行うことで、実際に実験からリサージュ曲線を見ることができます。 普段学習している内容が深いところでつながっていることに気が付き、物事を複眼的にとらえる力を養います。 日常生活の中で利用している情報技術には、日頃から学習している物理の原理が多く応用されていることを知り、情報技術が人や社会に果たす役割と及ぼす影響について自分の考えを持つとともに、人間が安全かつ快適に利用できることを目指した情報システムの在り方について考える力を養います。またこの授業では、ICカードと同様の仕組みのコイルを自作し、自動販売機のリーダ/ライタやIH調理器を用いてLEDを点灯させる実験を行う中で、電磁誘導現象を再考し、常日頃から現象や物事のつながりを見出す姿勢を養います。 高等部3年では、ある事件の報道写真を見て「報道写真はアートと呼べるか」という問いをたて、美学・語学の視点から学びを深める授業を行っています。英語で当時の新聞記事を読んだり各報道写真についた英語のタイトルを考えたりしながら、授業で取り上げる事件の内容理解と、ある一つの出来事でも異なる物の見方があることを学びます。この授業では報道写真を額縁に入れて鑑賞し、美術の要素である構図や色を再確認することで、報道写真をアートとして捉えることもできることを学びます。 美学分野では、惨劇の様子が悲劇であっても「美しく」感じられたとしたら、このとき人々が感じた「美しさ」とはどういう感情かをひもとくことで、「崇高」の概念について学びます。授業の終わりには「崇高」を表すキーワードを写真で表現し、額縁に入れて鑑賞しました。 このような体験を通して、物事を様々な視点から考えられるようになり、他言語を学ぶことでより多くの情報を得られることに気づき、興味関心を広げて、大学での学びにつなげていきます。生徒作品 『Light Shadow Terror』DEN-EN CHOFU GAKUEN JUNIOR & SENIOR HIGH SCHOOL 08教科横断型授業の実践例
元のページ ../index.html#9