調布学園創立100周年
理事長メッセージ

過去と未来をつなぐ「捨我精進」
学校法人調布学園は、この度百周年の節目を迎えました。調布幼稚園、田園調布学園大学みらいこども園、田園調布学園中等部・高等部、田園調布学園大学に集うすべての皆さま、保護者やご家族の皆さま、そしてこれまでの歴史を築いてこられた同窓生や地域の皆さまに、心から感謝申し上げます。この記念すべき節目で大任のバトンを受け取るにあたり、私はその重責に身の引き締まる思いでおります。
土と緑に囲まれて子どもたちが元気に育まれる幼稚園、明るくのびのびとした園児たちの笑顔があふれるこども園、礼儀正しく凛としながらも優しい空気に包まれる中等部・高等部、社会に貢献するために真摯に研鑽する大学キャンパス。着任後、これら各校の息吹に触れ、調布学園の百年の重みを実感したとき、私の心は深く揺さぶられました。長年民間企業でビジネスの目まぐるしい栄枯盛衰を見てきた者が、どんなに多くの利益を得ても決して手にすることのできない「歴史」というものを、目の当たりにしたからです。「歴史」とは、一世紀にわたり先人の方々が一歩ずつ紡いできた実績であり、地域社会と信頼の絆を育んできた軌跡に他なりません。日本の近代ビジネスの祖・渋沢栄一氏は、「正しい道理に基づいた事業は、一時の盛衰はあっても、百年の後までその精神が残る」という言葉を遺しました。まさに、初代校長・川村理助先生が掲げられた「捨我精進」こそが、調布学園の百年の時間を支え、百年後の現在まで息づく道理だと確信します。この確かな積み重ねがあるからこそ、私たちは今ここに立つことができ、これからの豊かな未来を描くことができます。
「捨我精進」には、苦しみを乗り越え「我」を捨てて精進していけば、運命にも打ち勝つことができるという意味が含まれています。自分の欲や都合を捨てて目の前の教え子に尽くし、共に学び、自らも成長していく。川村先生は、この姿勢を教師自身に強く求められました。これこそが、調布学園の人間教育の素晴らしい原点であり、未来への原動力です。現在の学校経営は少子化やデジタル化、AIの進化など、かつてない激しい変化に直面しています。しかし、この厳しい時代こそが、揺るがぬ建学の精神のもとで歩み続ける調布学園にとっては、むしろ真価を発揮していく絶好の機会となるはずです。
「捨我精進」は、調布学園の「過去」と「未来」をつなぐ架け橋です。これまでの経験にとらわれず、謙虚な気持ちで一歩ずつ精進を重ね、私たちが持てる情熱と力を合わせていけば、どんな変化も必ずチャンスに変えられるはずです。これからも「調布学園で学びたい、学ばせたい」と選ばれ続けるために、全員で一丸となって新たな百年のスタートを力強く踏み出してまいります。今後とも、皆さまの変わらぬ温かいご支援とご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
学校法人調布学園 理事長林 信貴