教育の特色

田園調布学園の理数教育

豊富な実験・実習授業などの体験的な学びを通じて、
理数の“好き”を加速させる

入学時は理数科目に苦手意識を持っている生徒も多い中、授業や土曜プログラムでの体験により数学や理科の知的好奇心を刺激し、興味関心を伸ばしています。また、理数科目の苦手意識を払拭するために、教員と生徒の間の双方向の授業を展開しています。理系進学者が45%程度となっているのは、こうした体験から卒業後に学びを深めたい内容が具体的にイメージできているからだと考えています。

興味関心を伸ばし、知的好奇心を刺激する

理科や数学の教科横断型授業

中等部1年の代数では、反比例の単元で学習した歯車の回転数と歯の関係を応用した、「デザイン定規で描く模様の謎解き」を実施。小学生の頃に遊んだことのあるものに数学が隠れていることを学び、数式を解くことでどのような模様が描けるかをイメージします。さらに描いた模様を違うものに見立てる遊びを通して、思考力・創造力を伸ばします。

生徒作品

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物理で扱う振り子の振動は、2次元に拡張した際、おもしろい動きをします。この動き(軌跡)をグラニュー糖で描く授業です。この軌跡はリサージュ曲線といい、数学ではコンピューターで描いていましたが、物理と数学が横断型授業を行うことで、実際に実験からリサージュ曲線を見ることができます。普段学習している内容が深いところで繋がっていることに気が付き、物事を複眼的にとらえる力を養います。

授業の様子

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“物体の重心”と“積分の不等式”を題材にした授業。同じ大きさのブロックを少しずつ右にずらして積んでいくとき、ブロックが崩れることなくどれくらいずらすことができるかということを、生徒はペアで予想・実験・考察・応用する授業です。何も考えずに積んでいくとブロックはすぐに崩れてしまいます。ブロックの重心を考え、計算しながら積んでいくと、いくらでも積めることを体感し、ずらすことのできる長さを積分の不等式で求めます。普段学習していた“物理の理論”や“数学の計算”が目の前のブロックで表されることで、具体的なイメージがわき、学びの意欲を高めます。

授業の様子

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関数グラフアート
(中2・中3)

グラフ作成アプリを使い、関数の数式を入力することで、その数式に対応した形状のグラフを作成します。そして、グラフを複数組み合わせてイラストを描きます。入力した数式がすぐにグラフに反映されるので、生徒は思い通りのグラフが作成できるまで、数値や式を調整するなど、何度もトライ・アンド・エラーをくり返しながら描きたい絵をグラフで表現していきます。また、より高度に表現するために、未知の関数について調べる生徒もいるなど、主体的な学びにつながっています。

関数グラフアート
全国コンテスト入賞作品

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土曜プログラム

4分野「身の回りの不思議にせまる~科学・技術・環境~」では、50程度の講座を設定。中学生対象の『理科ふしぎ不思議』では、東京工業大学のOBの方が講師となって教科書には載っていない理科実験を楽しみながら行い、科学や技術に対する興味や関心をより深めます。また、高校生対象の『英語でMATHEMATICS』では、アメリカの大学院で数学を研究したネイティブの教員が、オールイングリッシュで数学の授業を行う講座です。日本ではあまり習わない公式や、実生活に関わる数学の問題などを英語で学ぶ講座です。その他、『やってみよう天気予報』、『いのちをつなぐ遺伝の話』、『パソコンで音楽をつくろう』など様々な講座や、植物園散策や野鳥散策など郊外に行く講座も実施しています。学校で学習している数学や理科が社会とどうつながっているかを体験することで、数学や理科の学習意欲も向上していきます。

理科や数学に対する苦手意識をリセット

抽象的なものを具体的にイメージ

理科では中高6年間で約150もの実験を行います。特に中等部1年2年では、ほぼ毎週実験を行っています。「実験を行ってから、その内容を 教科書で学習」という授業展開を実施しているため、教科書の内容を具体的にイメージすることができ、内容の理解につながっています。高等部3年生でも、大学入試で頻出のテーマは実験も行いながら知識や内容の定着を図っています。

 数学では、中等部1年の代数「正負の数の加減」において、正負の数が書かれたカードを用いた導入を行い、数式をカードでイメージするという授業を実施しています。また、図形「オイラーの多面体定理」においては、ポリドロンと呼ばれる立体パズルを使って、正四面体などの立体を生徒たちが組み立てます。組み立てた立体を観察することで、規則性や数学的な特徴を発見し、それを式で表現していきます。その他、中等部2年では1円玉を用いて「実験と計算から考えるパッキング問題」や、高等部2年ではハノイの塔を用いて「漸化式のパズルへの応用」といった授業を実施しています。

ICTの活用

理科では高等部の演習の授業で、Googleフォームで小テストを実施。回答するとすぐに結果がグラフ化されます。その場で生徒の苦手分野が把握できるため、授業では苦手分野を中心に解説をしたり、類題の演習をしたりするなど対策をすることができます。こういった取り組みをくり返し行うことで、弱点補強を効果的に行っています。

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