探究・教科横断型授業

図書館教育

知的好奇心をかきたてる、
情報の発信地

図書館には3万6千冊の資料があります。
図書館はただ本が置いてある場所ではありません。本や新聞、雑誌、インターネット、データベース等あらゆる資料を使って、調べたり考えたりする場所です。紙もデジタルもそれぞれの特徴を生かしながら、上手に使っていく方法を学んでいきます。また、ここには教室とはひと味違う吹き抜けの空間もあります。大きな窓から雲が流れるのを見たり、夕方には月を眺めることも。学校にいながら、ひとりでほっと一息いれることもできる、誰にとっても居心地のよい場所です。
★図書館は24時間かぎがしまっていません。朝は、学校が開く7時からいつも使うことができます。

教科や行事とつなげる

図書館はいろいろな授業とつながっています。教科担当者と打ち合わせをし、教材や資料収集などの準備をします。授業で紹介した本は展示し、興味をもった生徒が学習内容をより深く掘り下げられるようアドバイスをして、その本を手渡しています。多種多様な展示は、何気なく図書館を通る他の生徒にとっても日々のニュースや教科の学習内容、外部イベントを知るきっかけになります。

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ジャパンナレッジSchoolを導入しています

ジャパンナレッジSchoolは、日本が誇る二大百科事典[日本大百科全書][世界大百科事典]を基本として、各種辞書から地図、統計類、新書にいたるまで、中高生に必要な資料類を横断的に検索・閲覧できるインターネットのサービスです。
電子辞書や無料の辞典サイトとは違い、コンテンツが随時追加更新されていて、24時間いつでも場所を問わず利用できます。なにより元は本(紙媒体)の資料なので、専門家によって検証された確かな知識や情報が収録されています。本校では、全校生徒、教職員が活用しています。探究の基礎となる調べの第一歩としても使える必須アイテムです。

進路とつなげる

図書館は、校舎の真ん中に位置しているため、生徒が教室移動の時などに必ず通る場所となっています。廊下の一部も兼ねているのでいつでも誰でも自由に出入りできます。入口には、授業で紹介された本をはじめ、図書委員が作ったPOPなども展示されています。図書館は、進路や授業とも深くかかわっています。例えば、高等部3年生の進路に関するレファレンスは多岐にわたります。本校の蔵書だけでは間に合わないときは、都立図書館や公共図書館から資料を取り寄せて提供しています。個々人に応じた資料相談を丁寧にすることで、生涯教育にもつながる上手な図書館の使い手を育てたいと考えています。

  • Kさん 医療・看護学部希望 海外での医療支援を知りたい。
  • Nさん 法律関係に進路希望。「法令審査制」「違憲立法審査制度」について海外ではどうなっているのか資料を読みたい。
  • Kさん 都市計画、都市設計、環境設計について知りたい。
  • Wさん 薬の副作用、副作用をなくすにはどうするかを知りたい。
  • Kさん 獣医学部希望 鳥の獣医の本。進学する大学教授が執筆した本を読みたい。
  • Mさん 文学部希望 音楽と感動について、西洋音楽を日本がどう受容したか、西洋音楽が日本に入ってきた経緯を知りたい。

図書委員会とつなげる

図書委員会は、生徒会の委員会のうちの一つです。
各クラスから2名ずつ選出され、中等部1年から高等部3年まで合わせると60人という大所帯ですが、自分の興味あるグループなどに分かれて活動します。
例えば、「読書の栞」(図書館報)をつくるグループや、読書会に参加するグループ、作家にインタビューするグループなど。その時々で生徒の「やりたい!」という気持ちを最優先してグループをつくります。ビブリオバトルや古本市などは全員で取り組みます。知らなかった本との出会いが待っています。
カウンター当番も学年を交えて一緒に担当します。昼休憩と放課後には、カウンターに座って貸出・返却をおこないます。本に関するおしゃべりもでき、いろいろな経験ができます。

図書委員会の活動の様子

  • 豆本ワークショップ

    豆本ワークショップ

    司書主催で豆本を作る講座をしました。お気に入りの布で世界に一冊の豆本を作ると気持ちもアップします。

  • 作家インタビュー・座談会

    作家インタビュー・座談会

    図書委員会では、会いたい人を話し合いで決めるところからアポイントメントをとり、インタビューを実現させてお礼状を書くところまですべて生徒の手でおこなっています。これまでにも、絵本作家の葉祥明(ようしょうめい)さんをはじめ、やなせたかしさん、作家の三上延さん(「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズの作家)、岩瀬成子(いわせじょうこ)さんなど多くの作家からお話を聞いてきました。実際にお会いしたりお手紙でやり取りをしたりすると、作家の人となりだけでなく、何を大切にして物語を紡いでいるかなど人生を垣間見ることができます。「人に会う」のはそれほど貴重な体験になります。
    また、インタビューは限られた人数だけでしか聞くことができないため、事後は生徒委員が内容を記事におこして図書館報に載せるなどして、全生徒がその場を共有できるよう工夫しています。この写真は、「浜村渚の計算ノート」シリーズで知られる青柳碧人(あおやぎあいと)さんを囲んで座談会をした時のものです。写真は、写真部の生徒が撮影しました。

  • 読書の栞

    読書の栞

    1953年からつづく生徒作成の図書館報。希望者で編集をしています。

  • 本の虫

    本の虫

    本校図書館オリジナルキャラクター・本の妖精です。ほかに「本の虫ポイントカード」という読めば読むほど得をするカードを作っています。

外部とつなげる

図書委員会では、ビブリオバトルも頻繁にしており、都大会にも出場しました。また、高校生直木賞(文芸春秋社主催)という全国規模の読書会に参加したり、国際貢献に興味のある生徒は朝日地球会議など外部の国際会議に参加したりもしています。他校の図書委員とともにおこなう「サークル読書会」は40年以上の歴史があり、女子校も男子校も共に語り合うことのできる貴重な機会となっています。生徒が作家インタビューを企画することもあります。童話作家から創作童話のコツを習ったり、プロの声優から朗読劇を指導していただいたり、とその時々で生徒のやりたいことを応援し実現させています。図書館には、近隣の美術館・映画館等の催しやさまざまなコンクール情報もおいてありますので、外部にも積極的に出ていき、社会性を身につけていくことができます。

『読書の栞』制作
作家や出版社に取材を行い、『読書の栞』を発行します。
制作例:読書の栞 No.153(PDF) 読書の栞 No.152(PDF)

ビブリオバトル
本の紹介を通して人を知るゲームです。委員会以外の人もまきこんで希望者で行って盛り上がります。