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【中等部文化講演会】「マンガは人生の参考書」

2月19日(水)、中等部文化講演会が開催され、本校卒業生であり、ライター・大学教員としてご活躍中のトミヤマユキコ氏を講師としてお迎えしました。

トミヤマ氏は、日本の文学やマンガ、フードカルチャーに関する執筆活動を行うほか、東北芸術工科大学にて現代文学やマンガの講義および創作指導を担当されています。また、2021年より手塚治虫文化賞選考委員を務められ、NHK高校講座「家庭総合」ではMCとしてもご活躍中です。

今回の講演では、「マンガは人生の参考書」という演題のもと、マンガを単なる娯楽としてではなく、人生における指針や学びを得るための「参考書」として捉える視点についてお話しいただきました。トミヤマ氏は、ご自身の経験や具体的な作品を交えながら、多角的な視点でマンガの魅力を解説されました。

講演の中では、安野モヨコ氏の代表作である『ハッピーマニア』『働きマン』にも触れられました。トミヤマ氏は、これらの作品について、当時の社会背景や人々の価値観をリアルに映し出している点で、多くの読者に共感を与えていて、「マンガはフィクションでありながら、時代の空気や社会の課題を鏡映しにする存在」と語られました。

マンガを「人生の参考書」として読むことで、過去の社会状況を知るだけでなく、自分の生き方やキャリアについて考えるヒントを得ることができるのではないでしょうか。今回の講演を通して、マンガが単なる娯楽ではなく、時代の空気や社会の課題を反映した「学びの場」になり得ることを、生徒たちは実感した様子でした。

また、講演に合わせて図書館ではトミヤマ氏の著書の展示コーナーが設けられています。今回の講演が、生徒たちにとってマンガをより深く読み解く視点を持つきっかけとなり、社会や人生について考える機会となったことを期待します。(中等部3年 担任)

以下生徒の感想です。

・漫画はただ読むだけでなくここはどのような意味を持つ絵なのかなどを考えることで、そこから考えを深めることができると思います。漫画は、娯楽として読んできましたが、これからは、その漫画の時代の背景を考える、そこから何をつたえたいのかを気をつけながら読むのもいいなと思いました。

 

・講演を聞いて、講演を聞く前は、少女マンガをトントン拍子で恋愛ができる都合の良いお話だと思っていたけれど、実際はノンフィクションでモデルがいる場合もあれば、全然人生がうまくいかないということをかいた漫画があるということを知れました。私は普段漫画などは見ないけれど、漫画処方などの話も聞いたので、家で話したり、自分でももっと調べたりしてみたいなと思いました。

 

・最後の方の漫画紹介で自分も知っている漫画が出てきて嬉しかった。また、その他にも現代社会の問題に直面する漫画などがあって調べて読みたくなった。そう考えてみると漫画には描いている人がいるので、そのときどうキャラクターが動いているのがどうか第三者が考えてそれが一つの物語になるということがわかると漫画についての魅力が、今までの漫画の概念とは全くの別のものになった。これからは自分が知らないことについて知ってみようと思う。