学園ブログ

高等部2年学習体験旅行(5日目 水俣〜鹿児島・美山)

とうとう学習体験旅行も5日目、お天気は下り坂で、午前中は曇りでしたが午後になると小雨が降り始めました。

 今日は2つの講演会がありました。午前中は胎児性水俣病患者の坂本しのぶさんのお話を、坂本さんが小さかった頃からのできごとを振り返る形で聴きました。水俣病のため、うまく話せなくなった坂本さんの話を全員が真剣に聴き入っていました。水俣病のことを世界に知ってもらうために15歳の坂本さんが母親と一緒に国際連合の会議に参加したことや、枯葉剤の影響を受けたベトナムの子どもたちの話もしてくださりました。講演の最後に頂いたメッセージでは、「絶対に戦争に行くな」とおっしゃっていて、改めて戦争が人々にもたらす苦しみや残酷さを感じました。

 午後は薩摩焼の陶芸家としてご活躍されている第十五代沈壽官さんのお話を伺いました。講演では陶工のことだけでなく、ご自身の人生を通して考えてこられた「民族」とは何かについて、私たち若者に向けたメッセージをお話くださいました。沈さんは、今まで経験されたことを、私たちが身近に感じられるように話してくださり、一人ひとりの心に響く気持ちのこもった講演内容に思わず涙を流す生徒もいました。事前学習で勉強してきた私たちにとって、沈さんは仰ぎ見るような存在でしたが、実際にお会いしてみると非常に温厚な方で、学年全員沈壽官さんが大好きになりました。その後、壽官陶苑を訪問した際には、現在使われている登り窯を見学し、ちゃわんをつくる工程についての解説を聞いて、帰るときには作品を購入することもできました。事前学習を活かして沈壽官さんとその歴史について、大いに理解を深めることができました。

1・3号車学習体験旅行委員