学園ブログ

中等部 文化講演会

2月18日 6限のLHRでヴァイオリニストで作曲家の式町水晶(しきまち みずき)さんを講師としてお迎えしました。

(「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」を自己紹介前に演奏する式町さん)

 

式町さんは小脳に脳性麻痺を抱え、車いすでの生活を送っていましたが、お母様の勧めでリハビリを兼ねて始めたヴァイオリンを続けたこともあり、15歳からは車いす無しで生活することができるようになったそうです。

それまでに様々なことを経験し、今大切にしていることを生徒たちにご講演くださいました。

特別支援学級での手厚いサポート、通常学級での優しいクラスメイトのサポートや心遣い、新しい転校先であった辛いいじめ、中学に進学しても過去の経験から人を信じることに対する恐怖心が拭えず人間不信に…どんどん暗い気持ちになり、優しく接してくれる人にもつらく当たり、人を避けるようになっていったそうです。

こういった様々な経験をし、日常生活を送るうえでも大変なことばかりで、障害がないことをうらやましいと思っていたそうです。

しかし、中学2年生のとき、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が列島を襲い、それを機に大変な思いをしている被災者の方に向けた復興支援の演奏会に度々参加したそうです。そこで、被災者の方から「災害でとても大変だけど、希望をもって生きるから、ヴァイオリン頑張ってね」と逆に激励の言葉をもらって、こんなにも大変な思いをしているのに他の人を思いやる気持ちを持っている被災者の方に感動し、心を入れ替えて自分も人を思いやる気持ちを忘れないように生きようと思ったそうです。

最後に生徒たちは次の言葉をいただきました。

 

自分が障がいを抱えていることは、神様からのプレゼントとは思えなかった。苦しい思いもしたし、死にかけることもあった。日常生活を送るうえで大変なことばかりで障がいがないことがうらやましいと思っていた。

でも勘違いしていた。

障がいがあるから大変なこともあったけれど、障がいや病気がないからこそ大変なこともいっぱいある。自分の家族はいつも自分中心で動くしかなかった。言葉を変えると自分は常に守られていた。

障がいがないからこそ、頑張らなきゃいけないハードルがどんどん高くなっていく。少し体調が悪くても頑張ればそれくらい大丈夫と言われたりすることもあるかもしれない。

ヴァイオリンの弦は、強く張りすぎても緩みすぎていても良い音は出ない。弦を張りすぎると弦は”切れてしまう”。人間も同じだと思います。人も頑張りすぎたら心が壊れてしまうかもしれない。ヴァイオリンの弦は直せても、人の心は治らないかもしれない。元に戻れなくなったら大変。

だから、頑張ることも大切だけど、頑張りすぎずに楽しく生きてほしい。そして、心と体の限界が来る一歩前、二歩前、三歩前に誰かに相談したり、つらいことを伝えることを大切にしてほしい。

今日はみんなのその優しい拍手で、僕もヴァイオリンも元気がもらえました。

ありがとうございました。

 

 

中等部2年 担任 大場

 

以下、生徒の感想です。

「中1」

・今まで身近で障害者の方のお話を聞いたことがなかったのですが、今回はその苦労を聞くことができてとても良い経験となりました。
また、私は障害者の方にはより周りの方が手助けするイメージがあったのですが、全員が全員そのような思いではないことを知り、改めてそのような状況な中「人のせい」にしたりしなかった心が本当にすごいと思いました。

・講師の方が笑顔で演奏していたのことがとても印象的でした。笑顔で演奏されている方を見ると曲を聞く私達も楽しくなるからです。
また、講師の方の人生(小学校時代、中学校時代)を聞いて曲に入ることでその曲だけ聞いたときよりも深みを感じることができたことです。
そして、最後におっしゃっていたヴァイオリンの弦にたとえた「頑張る」というお話です。限界を超えれば切れてしまう、そんな自分の心や体のはかなさに改めて気付かされました。
本当にありがとうございました。

「中2」

・お話の中で、「障害がない人と一緒に生活してみて初めて自分が障害だということに気づいた」という言葉がとても印象的でした。それこそ、自分が当たり前だと思っていたことは他人から見れば当たり前ではないことなんだなと気づくことができました。また、障害があるということについて全てをマイナスに捉えるのではなく、そこから、自分が限界に行く手前で誰かに相談したり、周りの人を頼ってみることの大切さに気付いていらっしゃって、お話を聞いている中で気付かされたり、学べたことがとても多かったです。とても貴重な経験になりました。

・目に見えなくても障害を持っている人は世の中に一定数いるから誰にでも思いやりを持って接することが大切だと思いました。障害を持っている人に対してできることはとてもたくさんあると改めて感じ、自分が今まで小学校で障害を持った子が近くにいて困っている様子を見かけたときの自分の動きを振り返ることができました。障害を持っていてあまり人に伝えきれなくても本人は感情を持っているしそれをないがしろにしてはいけないと思いました。

「中3」

・式町さんのお話の中で特に、「自分がとても辛いとき、しんどいときに、相手に対して優しくできるか」というお言葉がとても心に残りました。今の私は、辛いとき、しんどい時どころか些細なことでイライラし、その時に相手に冷たく接してしまいます。相手も私と同じ人間である、ということすら忘れてしまうことが多いです。
それに気がついたとき、自分が真の意味での「優しい人」になれるのか不安に思いました。しかし、式町さんが、中学2年生の時の自分は「できない」とすぐに思った、とおっしゃっていて、今の式町さんからは想像ができなかったため驚きましたが、「変わろう」とする強い思いがあれば式町さんのような優しさを持つ人に近づけるのなら、私も優しくなろうとする努力をし続けていきたいと思いました。

・講演をきっかけにして私は、障害のある人との関わりはなくても、周りの人と助け合うことを忘れないで、どんなに落ち込んでしまったり傷ついてしまったことがあっても、人に優しくできるようにしようと思いました。そうすれば、誰か他の人を元気づけられたりすると思ったからです。また、被災地の人々をバイオリンで元気づけた式町さんのように、私も将来なにか、他の人を元気づけられることをして人々とつながっていきたいです。