学園ブログ

図書委員が参加。10代がえらぶ海外文学大賞イベントほか

3月29日(日)に、各々、2つのトークイベントに参加しました。

1つは、「10代がえらぶ海外文学大賞」主催:世田谷区立経堂図書館(経堂地区会館 別館にて)

ゲストトークでは、英米文学翻訳家である三辺律子さんから翻訳とは何か、という話がありました。

三辺さんは、有名な『あおくんときいろちゃん』(レオ・レオーニ作)の原題は「Little Blue and Little Yellow」だという例から話されました。日本語版は「あおくんときいろちゃん」。翻訳の際には、「くん、ちゃん、さん」などの呼び方をつけています。(つけざるを得なかったのではないか、ともいわれていました。)しかし、日本語訳をすることによって、題名をみて読者がうける印象は変わってしまいます。母語が日本語話者ならばこれらの「ちゃん」や「くん」を見ると勝手に男女を区別してしまうこと、などを皮切りに、言語でバイアスがかかることなどを知りました。

三辺さんからは冒頭に『ヴァーチャル日本語  役割語の謎』(岩波書店)という本も紹介されました。この本は、相当面白そうでしたので、図書館にもこれから蔵書に入れる予定です。この本をみて、読んで、日本語の面白さを体感してみたくなります。

わし、そなた、拙者、私、おれ、ボク、、、というような日本語訳も、全部、英語だと「I」です。翻訳の愉しさと困難さ、そして奥深さがつまっている内容でした。

また、「1秒4文字」という制約のある映画の字幕翻訳と比べて、絵本や海外文学の翻訳は違うことなども話されました。翻訳とは、単に日本語に訳すだけではなく、言語の意味を伝えることが大事、ということもわかりました。『ハリーポッター』にでてくる「組み分け帽子」(言語ではSorting Hat)を例に話されて、中高生は大いにうなずいていました。第2部では参加者同士が読んだ本や好きな本について語り合う時間もありました。

参加した中等部2年生の生徒の感想です。「今回、『10代が選ぶ海外文学大賞』のトークイベントに参加して、翻訳の難しさや海外文学の魅力を感じることができました。また、参加者の方々と好きな本について話せたのでとても楽しかったです。もっと海外文学を読んでみたいと思いました。」

第1次投票も始まりました。https://www.10daikaigaibungaku.com/

第1次投票は、(もう10代ではない)大人も、もちろん子どもも参加できます。https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScvnWFwHt5wVwULo5TKunqhQAYDKCHUB8WInmoQhmt2gVYEQg/viewform

↑これまでに読んだ対象作品のなかで、好きな本や、おもしろい本を教えてください。1人1回、3冊までです。
投票締め切り:4月15日(水)23:59まで

第1回の冊子も見られます↓

https://www.10daikaigaibungaku.com/_files/ugd/e5bdc9_c0a061de43114317aa05b1c79c58c988.pdf

詳細はこちら https://www.10daikaigaibungaku.com/_files/ugd/e5bdc9_8739f4404e7c4e5aa817eea1f6a0e91b.pdf

もう一つは、文藝春秋社主催のイベントです。こちらも、貴重な体験が出来ました。

文藝春秋から4月に発売される金子玲介さんの新刊『私たちはたしかに光ってたんだ』を読み、作家本人を交えて中高生が語り合うというぜいたくな読書会でした。

金子さんは2025年『死んだ山田と教室』でデビューし、同作が本屋大賞にノミネートされるなど注目されている作家です。新刊はガールズ・バンドを主人公にした青春小説です。

参加した生徒は「主人公に共感できることも多く、改めて小説って面白いと思った。」と感想を伝えていました。

新学期もたくさんの本を手に取ることを、図書館は応援しています。

(図書館 二井)