学園ブログ

高等部学習体験旅行第2日目

2日目はまず最初に全員で平和公園と原爆資料館を見学しました。生徒会が呼びかけて高1の生徒が千羽鶴を折り、平和への祈りを込めて資料館に贈呈しました。その後、各自で決めた予定にそって班別研修を行いました。長崎は原爆の爪痕が今もなお現存され、戦争の悲惨さを伝え続けています。そのような側面と、長い間他国との交流の要衝で、異国と融合した文化を持つという二つの側面を併せ持っていると気付きました。

(以下は二人の生徒の班別研修の感想です。)

私の班では、グラバー園を訪れました。グラバー園は開港後に長崎に来住したイギリス人商人の旧邸があった敷地に、市内に残っていた歴史的建造物を移築している施設です。ここでは外国人の方々の生活と日本人の生活の違いを知ることができました。また、私は日本式の庭園ではなく華やかな様式の庭園に圧倒され、日本の文化が洋式の文化を受け入れ、和洋折衷の独自の文化を築いてきたのだということをあらためて実感しました。

私は軍艦島を訪れました。以前軍艦島で生活されていた坂本道徳さんに島を案内していただきました。私が衝撃を受けたことは普通なら人の生活や命が優先されますが、この島では工業の発展が第一に考えられていた、ということです。現在軍艦島に人は住んでいませんが、日本の工業化を知るうえでとても良い経験ができました。

夕食後は語り部の方々のお話しを伺いました。5号車では11歳で被爆し、父・兄・姉を亡くされた松尾幸子さんが講演してくださいました。私が一番印象に残っていることは、自分の命を大切にすること、そして人の命を大切にしてほしい、と松尾さんがおっしゃったことです。松尾さんが被爆して一番悲しかったことは、家族を亡くしたことだそうです。松尾さん自身も差別や病気などたくさんの苦しい思いをされ、自分自身の苦しみに目が行きがちでしたが、振り返ると、やはり一番つらかったのは、家族や友達、近所の人などの親しい人に二度と会えなくなってしまったことだそうです。

原爆だけでなく、戦争は大切な人を奪い、夜は寝る、ご飯を食べる、という当たり前の幸せや感情までも奪うのだということを、今日一日の平和学習を通して感じました。

今日学んだことを心にとめて、残りの4日間の学習も充実したものにしていきたいと思います。

(学習体験旅行委員)