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あまねく世界からフィジカルな苦役を無用に(株式会社人機一体×情報科 特別授業)

情報科では2月6日(月)・9日(木)の5・6時限に,滋賀県に本社のある株式会社人機一体より取締役 諸岡様・エンジニア 花岡様をお迎えして,高等部2年を対象とした「ロボティクス」に関する特別授業(情報科 企業コラボ Vol.2)を実施しました。今回は,本校からの強いオファーにお応えくださり本特別授業が実現に至りました。

株式会社人機一体は,「Man-Machine Synergy Effector = 人間機械相乗効果器」のコンセプトのもと,先端ロボット工学技術の社会実装を目指して人型重機をはじめとする操縦型の大型ロボット関連技術の研究開発を行っています。

昨年には,JR 西日本 × 日本信号 × 人機一体 による「人機プラットフォーム」によって作られた零式人機 ver.2.0の公開,今年に入ってからも株式会社竹中土木や日本信号株式会社との資本提携発表のほか,メディアでは日テレ「世界一受けたい授業」や,テレビ朝日「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」で取り上げられるなど,ロボティクスの分野において今注目の企業です。

授業前半では,取締役 諸岡 亜貴子 様より会社の概要・ご自身のこれまでを振り返った進路・仕事について,そしてロボットづくりにはどのような人たちが携わっているのかについてお話しいただきました。零式人機 ver.2.0を制作された背景として,自動化が困難な3K(きつい・汚い・危険)労働の現場を先端ロボット工学技術を搭載したロボット重機の社会実装により機械化することを目的として作られていることを伺い,大型の人型ロボットがどのように社会で活かされているのか動画や画像をもとに理解することができました。

また後半には,開発部の花岡 宏匡 様よりロボット作りで大切なこと,ロボット制作に携わっている機械エンジニア・制御エンジニア・電気エンジニアがどのような仕事を行っているのか,具体的な仕事内容について話を伺いました。

人機一体の保有する先端ロボット工学技術の強みである「力制御」・「力順送型バイラテラレル制御」について具体的な事例を交えて大変分かりやすくお話し下さり,50分という限られた授業時間ではありましたが,実際にロボット作りに携わっている立場の方から,「ロボット開発の仕事」や「どのような想いでロボットづくりに携わっているか」といった普段では直接お聞きすることの出来ない多くの情報を得ることができました。

高等部2年生の情報の授業では,人工知能やロボティクスについて取り扱い,人間と機械との関わりについて様々な方面から考えてきましたが,本特別授業においても全てをオートメーション化するのではなく,「人」と「『機』械」が一体となって関わることの重要性について理解する大変良い機会となりました。

また本特別授業では,女性取締役であり様々なお仕事を経験されてこられた諸岡様よりロボティクスに関する学びを超えて,「キャリアデザインとして社会に出れば理系文系にとらわれない働き方があること」,「様々に勉強を重ねていく中で,自分が別の道に進みたいとしたときに,学部や仕事・分野を切り替えたとしても,その学びは,決して無駄になる事はなく,全て繋がっている」ということについて実体験を踏まえてお話をくださり,生徒は理系文系の選択を問わず,今現在の勉強の大切さについて改めて実感できたことと思います。

以下に,生徒感想(抜粋)をご紹介します。
「人機一体のロボットは人間の重労働を代替できると知り、これから様々な分野で活用されていく可能性に満ち溢れていると思いました。諸岡さんがおっしゃってい『みんながやりたがらない仕事を、ロボット操縦士という憧れの職業に変えたい』という言葉が印象に残りました。また花岡さんはエンジニアの視点からロボットが初めて動いた時の喜びについておっしゃていて、多くの人のビジョンが重なって一つのロボットが開発されているのだと実感しました。技術面では、ロボットが操作する感覚が手に伝わることや、実際に部品が3Dプリンターを用いて作られていることにとても驚きました。お話を聞いて人機一体という名前に込められた意味を理解できたと思います。」

「非常に興味深く、為になるお話が聞けました。私は文系で、理系方面の話はほぼ聞くことができずにいましたが、そういう進路もあるのかと非常に面白いと感じました。エンジニアなど専門性のある仕事に就きたいと思ってはいますが、どうしても文系になると、理系よりも専門性は薄れてしまいます。花岡さんや諸岡さんのお話を聞いて、その選択肢も進路の選択肢として大切に覚えておこうと思います。
また、日々の生活で当たり前に享受しているものが、人機一体さんなどの会社の方々がひとしれず活動してくださっているおかげで動いていることに改めて気づかされ、人のためになる素晴らしい仕事だなと思いました。」

 

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