学園ブログ

実際につくって考える 中等部3年の探究

中等部3年生は、昨年に引き続き、デザイン思考に基づいた探究活動に今年も取り組んでいます。

今年のテーマは、「暮らすがえ」です。

「暮らすがえ」とは、空間の価値を変えることを目的としています。例えば、教室でもしきり一つあるだけで公的な空間がパーソナルにもなります。ひとことでいうと、「自分たちの暮らしを豊かにするモノのデザイン」。

学校、家庭など自分たちの手の届く範囲で生活空間を工夫し、価値を変える。そのためのアイデアを考えるのです。

ここではもちろん、生徒は頭の中で計画するだけでなく、簡単なラフスケッチから設計図を書いたり、実際にプロトタイプ(原型、試作品などの意味)作ったりもします。連休前の授業を受け、さまざまな試行錯誤をしてきた生徒たち。今日は班ごとに中間発表をおこないました。

ミッションを整理すると、
– 想定ユーザー:自分 or 周囲の誰か
– 想定シーン:学校・家庭・生活空間など
– プロジェクト目的:困りごと解決 or 新しい豊かさの提案
– アウトプット:モノ

となります。

本日は、1グループごとに講師の前でこれらの内容と進捗状況を報告し、いま困っていることを個別相談しました。

ある班は、「グラウンドに移動するときに大荷物なのでスムーズに運びたい」という自分の困りごとをもとに、キャスター付きの運ぶ台車を考案していました。(本校のグラウンドは本校舎から歩いて5分程度です)

生徒は、まず厚紙で作成したイスと机のセット(ミニチュア家具のようなもの)を見せながら講師に説明をしていました。すると、講師からは「原寸大のものをつくってごらん」とのアドバイスが。講師にプロトタイプの説明をすることで生徒たちは計画を客観的にとらえることができます。

講師から、今後具体的にすべき点を伝えられると、生徒たちは「なるほど」とうなずいていました。中間発表は、今日に加えて2週間後にもう一度あります。それまでに各グループはより具体的につくっていくことでしょう。

プロトタイプ作りには、道具が必要です。じつは、自由に使える道具(ハサミやのり、カッター、ひも、ボンド、マジックペン、ガムテープなど)や素材(段ボールや紙、紙コップなど)も中等部3年生の廊下にはたくさん置いてあります。いつでも思いついた時に作業ができる、そんな空間が広がっています。

ひらめいたことを話し合い、実際につくってみる。そこからモノのデザインは生まれていきます。

昨年の様子はこちら。

https://curioschool.com/news/1494.html

(担当 二井)