学園ブログ

万城目学さんからエッセイの書き方を教わりました

去る3月26日(火)に、万城目学さんのイベント「エッセイの書き方講座」に、高等部2年生の生徒が対面で参加しました。

このイベントは、高校生直木賞の一環でおこなわれたものです。

会場となった文藝春秋本館B1ラウンジは、さすが出版社本社とあり、ピリッとした緊張感とともにここかしこに本の情報があり、ワクワクする空間でした。

会場には、近隣から集まった高校生訳20名と引率教員、出版社の方など多くの人が集いました。

万城目学さんは、先日の直木賞を受賞された作家です。

とつとつと始まった講演は、作家になるまでの道のりから、今の仕事、とくにエッセイを手がけることが多くなった今、どのように書いているか(書けないのかも‥‥‥)も、関西弁を交えて楽しく語っていただきました。文藝春秋社の編集者さんとのやりとりも面白く、ふだんの作家と編集のあいだでの会話を彷彿とさせました。1時間半はあっという間でした。

生徒からはこのような感想が出ました。

先日、『八月の御所グラウンド』を執筆された万城目学先生のエッセイ教室に参加させていただきました。
「文章の書き方」は、私が日々悩むものの一つだったのでとても勉強になりました。
文章を書く上での大切な要素は沢山あったのですが、その中でも「客観性」、「どこまで納得の行くものが書けるか」、そして「読書」、が大きいことを学びました。
文章はどうしても主観的に書いてしまうものですが、それは自然と自分の日常を反映させてしまうことにつながります。自分の中だけで完結していては、面白い文章が書けているかは判断しづらいものです。他の人に文章を読んでもらい、自分と突き放すことで客観性のある文章となり、面白くなることを知りました。
万城目先生自身、書き出しなどには1日以上かかることもあるとか。どこまで納得のゆく文章を書けるか、自分のスピードで書きたいポイント全てを抑えられるかが重要であること。
万城目先生は、作家になる前は22年間以上、「書く」ことはなく、ひたすら取り入れる(インプットだけの)読書をしていたといいます。そのことから、読書がどれほど大切かということが身に沁みました。
他にも、文章を書く上では、少しの切なさが大切なことなど、多くの発見がありました。とても楽しく心に響いた時間となりました。

また、イベント終了後には、万城目学さんのサイン会も特別に開催していただけて生徒たちは大満足の時間でした。

他校の生徒には、関西限定でしか販売していないレアな万城目本を自分で入手し持ってきている高校生もいました。
本校生徒も、持参した本にサインをいただき、特別な1冊になったことを喜んでいました。何より、エッセイや文章を書くこつをひとつまた教えていただいたことが大きな成果だったようです。

この生徒は、ある日、本校図書館の書架でみつけた『言葉の温度』(イ・ギジュ著 米津篤八訳、光文社)を読んで以来、エッセイの楽しさを知ったとのこと。ふと耳にした日常の会話や他人の行動をきっかけに自分を洞察することのできる「エッセイ」の奥深さに驚いたそうです。以来、エッセイを書いてみたい、どうやったらうまくかけるのかと思っていたとのこと。今回作家に会ってさらに気持ちを新たにしたそうです。

また今日の午後、この生徒を含め図書委員たちは、高校生直木賞の予選(4月21日オンライン開催予定)のために、校内読書会をしました。候補作品5作品をすべて読み、どの本のどこが印象に残ったかを、2時間以上語り合っていました。

高校生直木賞は、これから地方予選大会(4月21日)、全国大会(5月19日)と、続きます。どんな読書会が行われるのか、たのしみです。

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(図書館 二井)