【「できる・できる」】PEP TALK!(高等部文化講演会)【「必ずできる」】
- 講演会
- 学園生活
- 行事報告
—僕から一個だけ。憧れるのをやめましょう。—
11月20日、高等部の文化講演会は「PEP TALK!」。
講師は日本ペップトーク普及協会の岸田輝美さんです。
元々プロの卓球選手という経歴をもちながら、様々な挫折も経験されたという岸田さん。
そんな岸田さんから、「ペップトーク」の技術、「言葉の持つ力」についてのお話を聞きました。
ペップトークは、スポーツ大国アメリカが発祥の「励ます技術」。
監督が試合前などに選手たちを励ます、「短くて」「わかりやすく」「肯定的な」「魂を揺さぶる」言葉がけです。
日本には、「言霊信仰」があります。忌み言葉を避ける文化はまさにそれの表れといえるでしょう。
また、脳のはたらきから、「ミスをしないように」という「ネガティブを否定する」言葉よりも、「ここは集中しよう」というポジティブな言葉(=してほしいこと)をかけることのほうがよいというお話も。
これが「してほしい変換」です。
実際に生徒が立ち上がって腕を大きく上に突き出し、ネガティブな言葉とポジティブな言葉をそれぞれ発して言葉の力を体感するシーンも。
「ポジティ語」への変換が大きな効果を生むことを実感できたようです。
例えば、「駆け込み乗車はおやめください」という表現は「次の電車をご利用ください」に。「怪我するなよ」は「ウォーミングアップをしっかりやろう」に。「鶴の恩返し」の機織りのシーンで、「決して覗いてはいけません」ではなく「朝まで待っていてください」と言っていれば、また展開も変わっていたのかもしれません。
冒頭の「憧れるのをやめましょう」という言葉。
2023年のWBC決勝前に大谷翔平選手がチームメイトを鼓舞した言葉として有名になりました。これもペップトークです。
(大谷選手の言葉の続き)
「憧れてしまっては、超えられないので、
僕らは今日超えるために、
トップになるために来たので。
今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、
勝つことだけ考えていきましょう。
さあ行こう!」
——————————
生徒のコメントの抜粋:
「普段、自分が上手くいかないことがあったときに自分自身にポジティブな言葉を掛けるようにしているのですが、それが実はPep Talkに当てはまることを知り、驚きました。自分自身にポジティブな言葉掛けをすることが出来ても、相手に向かってポジティブな言葉を掛けることは難しいと感じるので、自分以外の人にもPep Talkが出来るようになりたいと思いました。」
「『失ったものの数は数えてはいけない』という言葉に心が打たれました。
失って欠けた部分を見てしまいがちですが、欠けていると感じるということは周りを構成しているものがあるので、欠けた部分を見るのではなく、その他の『〇〇が準備できているからできる』という考え方に変えられるようにしたいと考えました。」
「私が特に印象に残っているのは『シャンパンタワーの法則』です。確かにまずは自分がポジティブでいなければ周りの人々にポジティブな言葉を使っても説得力がないと感じました。自分から変わるよう意識することで相手にも良い影響を与えられるような人になりたいです。」
——————————
他の人にポジティブな影響を与えるためには、まずは自分が満たされていることが大切だという「シャンパンタワーの法則」のお話がありました。
自分が自分に本気で言葉をかける「セルフペップトーク」を、ぜひ今日から実践していってもらいたいです。
三三七拍子のリズムが特におすすめとのこと。
「で・き・る で・き・る か・な・ら・ず・で・き・る!」
皆さんもぜひ、自分流のセルフペップトークを作ってみてください。
講演の最後には、「ありがとう」(有り難う)の対義語は「当たり前」だというお話もありました。日頃、身近にいる人に感謝を伝えることの尊さは、忙しない日々の中で、ともすれば忘れ去られてしまいがち。その内容についての映像を見て胸を打たれ、思わず涙を流す生徒の姿も。あらためて、言葉の持つ力の強さを実感することができました。
過去と他人は変えられない。
未来と自分は変えられる。
岸田さん、我々の背中を後押ししてくれるようなご講演をありがとうございました。
自分を励ますこと、そして周りの人への感謝を日々伝えていくこと。
本校の建学の精神である「捨我精進」とともに、常に心におき、真摯に生活していきましょう。
(高等部2年担任:橋本彬生)