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社会×英語×美術 横断授業 高3特別講義

高3の特別授業で、社会×英語×美術の教科横断型授業を実施しました。テーマは 新聞記事や報道写真を読み解く(語学、美学の視点から) です。

2001年のアメリカ同時多発テロ事件の報道写真を「芸術作品」として額装して鑑賞を行いました。
そこで、このような問いかけを行います。 「報道写真や歴史画を美しいと思いますか?」

報道写真や歴史画の多くは、美しく見えるような美術の構図が用いられていて鑑賞者の視点が誘導されるように構成されています。その多くに、三角形の構図にものを配置する三角形構図が使われていました。
そして美学の視点から捉えたときに、「崇高」の概念が当てはまることに気づきます。
戦争などの凄惨な現場をとらえていても、どこか美しさを感じさせてしまう、鑑賞者の心を動かす要素が詰まっているのです。
当時アメリカで発行された英文記事を読んで報道写真だけではなく文章でも事件の様子を学び、日本の記事と現地の記事とで視点が違うことにも触れました。

このような解説を受けた後、生徒たちは「崇高をもたらす要素」を写真を使って表現する課題に取り組みました。グループに分かれ、テーマの英単語を選んで、手を被写体にして写真作品を制作し、英語で発表しました。

美術、美学、英語などの様々な視点から、報道写真をとらえ、表現まで体験した生徒たち。
今後の大学での学びにつながっていくと良いと思っています。

【生徒作品/英語による解説】
右:infinite(無限)
Our group chose the theme “infinite”. We have two points which we are really passionate about.
One thing is the way we combine pictures. To express the infinity, we hold each other’s hands and make a circle. And then, moving on to shooting hands representing the sign of the infinity.
The other thing is the contrast of colors. We decide to make the circle look dark using a mono-tone and the sign in the center seem to be as much bright as possible filled with hope.
Using high-tech apps, we try to layer photos naturally. We hope you guys like this work!

左:ambiguity(曖昧)/despair(絶望)/light(光) / shadow(影)
Ambiguity and despair express the feeling that ambiguity of student’s mind and conflict that they cannot be rewarded in spite of making an effort to do something. Light and shadow represent passage of time.

生徒の感想①英語、美術、公共を軸に、多面的にひとつのものを見つめることが面白いと思った。また、報道写真を美しいと感じる感性が私にはなかったので、新たな視点を学ぶことができた。

生徒の感想➁報道写真を、美術の観点から読み解いたことがなかったので新鮮でした。今まで戦地などの写真に対して感じていたことを授業内での対話や講義を通して言語化されていき、自分の中でそれがどんな感覚なのか明確なものになりました。

(美術科長峰・社会科大金・英語科笹川)