学園ブログ

探究発表会を開きました

去る2月22日(土)、探究発表会が行われました。
これは、中等部・高等部の生徒が、その年の探究の成果を発表する一大行事で、今年で3回目を迎えました。当日は、在校生保護者に加え、新入生とその保護者、本校の探究に関心を寄せられた企業や他校の先生方など多くの方に来ていただきました。


中等部の2・3年生は、本田技研工業株式会社(以下Honda)と連携し、「一人ひとりが思い描く夢、心の中にある本当の願い、自分自身がワクワクすること、本当にやりたいことを叶える、移動に関するモノコト」というテーマでグループごとに取り組みました。当日は、クラス内の選抜を勝ち残った代表11チームが最終プレゼンを行いました。Hondaからは6名の方が来校されて、1チームごとに丁寧なコメントやフィードバックをいただきました。スタッフの代表の方からは「どのチームも練られていて、感動しました」というコメントをいただきました。生徒もあの「Honda」にアイデアが提供できるなんて、とうれしそうでした。


高等部1年生は、BOTTOプロジェクトと題して、一人ひとりが「好き・得意」というキーワードに基づいた活動を1年間行ってきました。活動内容は動画にまとめ、互いに投票活動をして、その結果上位になった生徒たちが、この日発表をしました。「株と世界情勢」というグローバルな問題を取り扱う生徒から、「ガチャガチャをコンプリートするのにいくらかかるのか」といった身近な問いを数理的な視点で見直す生徒まで、テーマはかなり多種多様でした。

聞き手もワクワクした表情をしていて、質問も飛び交いました。


高等部2年生は、昨年度取り組んだBOTTOプロジェクトをさらにレベルアップさせ、他者への貢献の要素を盛り込んだ活動を1年間行いました。この日は、全員の生徒が発表を行いました。教室や大会場で講演スタイルの発表を行う生徒もいれば、ポスター形式の発表で来場者に説明をする生徒もいました。内容は千差万別です。たとえば、「アートで社会問題を解決したい」というテーマで探究した生徒は、アートが問題提起にとどまることなく、社会の抱える課題解決の力となり得るのかを検証しました。また、東京都市大学の協力の下、物体の衝撃吸収性や振動吸収性を高める「Auxetic(オーゼティック)構造」について研究した生徒は、宇宙分野が抱える問題の解決に向けた構想について説明しました。生徒一人ひとりが自分たちの経験とともに、貢献のビジョンを語る、活気ある空間となりました。
また、発表会全体は生徒自身が司会・進行・質疑応答の管理を務める「座長制度」で進められ、これも毎年恒例となりつつあります。

先週から今週にかけて、高等部1・2年生は探究発表会の振り返りを行いました。生徒・来場者の評判が高かったものを再度互いに聞いたり、それぞれの発表に対する聴衆からのフィードバックをもとに自分たちの活動について互いに語り合ったりしました。
発表会では、我々教職員など大人も大いに生徒の成長に気づかされます。

中等部生は、ある程度抽象的な課題であっても、それぞれが具体的な言葉に解釈して、「デザイン思考」をスムーズに実践して探究的な思考ができるようになりました。

高等部についても、「探究」の授業がなかった3年前と比べると、生徒自らフィールドワークを行ったり、企画したものを外部で催したりと、主体的に活動する生徒が確実に増えたことが実感できました。

次年度は、大学や諸機関との連携をより強め、より広い視点が身につけられる授業を展開していきます。
(探究係 長岡)