今年のカナダホームステイプログラムは、バンクーバー市内見学を2日にわたって行います。
しばしば「バンクーバー発祥の地」とも称されるガスタウン(Gastown)は、石畳の道が続き、ビクトリア朝の建物やめずらしい蒸気時計が見られる、古い時代の魅力がいたる所に残るエリアです。
このガスタウンで最も有名なランドマークといえば、蒸気時計です。キャンビー通りとウォーター通りの交差点に立ち、15 分ごとに「汽笛」を鳴らします。この蒸気時計の動力には、部分的に水蒸気が使われています。イギリスが「世界帝国」化していった片鱗を感じられます…と言いたいところですが、一見するとビクトリア時代のアンティークのように見えるこの時計、作られたのは 1977 年と、割と最近。それでも、世界で初めて作られた蒸気時計として、街の雰囲気も相まって人気の写真スポットになっています。

写真からも、撮影現場のにぎわいの雰囲気を感じられるのではないでしょうか。あと5分で汽笛が鳴るところだったせいもあり、周囲にたくさんの人が集まっていました。バディたちを筆頭に、いくつかのグループに分かれてお土産を買ったり、写真を撮ったり、カナダに来てから何度目かの自由時間を楽しみました。ガスタウンでたくさんのお土産を購入した後は、2グループに分かれての行程です。お楽しみは何といっても、アフタヌーンティー(ハイティー)体験。一度に全員入ることができないので、片方のグループは先にアフタヌーンティーを体験し、その間他方のグループは近くの「パシフィックセンター」でショッピングを楽しみました(と言っても生徒たちが買うようなものはあまりなく、フードコートでバディとおしゃべりして過ごしました)。


ティー会場はなんと、バンクーバーで最も格式ある老舗高級ホテルである「フェアモントホテルバンクーバー」!1939年に開業し、英国王室も訪れた由緒あるホテルで、街の中心地にそびえ立つバンクーバーのランドマーク的存在です。外壁には銅製の屋根やガーゴイルがあしらわれ、まるでお城のような外観から“Castle in the City(街の中の城)”の愛称をもちます。
ラウンジを通り抜けると本棚に突き当たり、一見行き止まりのように見えますが…なんと本棚が隠し扉になっており、その奥には花園のようなファンシーな空間が広がっていました。生徒たちは、ホテルの高級感あふれる雰囲気に若干緊張しつつも、特別感満載の会場に興奮して早速写真撮影に勤しんでいました。
まずは紅茶の種類を選び、可愛らしい食事が運ばれてきて(スタッフの方が一つひとつ丁寧に説明してくださいました)、いよいよアフタヌーンティーのスタートです。



最初は「どうやって食べれば良いの?」「説明が聞き取れなかった!これ何だろう?」と戸惑いながらもおそるおそる口に運ぶと、「おいしい!」と笑顔が溢れます。アフタヌーンティーでお腹がいっぱいになるからとランチを食べていなかったこともあり、口々に感想を言い合いながら、次々に料理を口に運んでいました。
食べ終わった後は、バディも含めて写真を撮り合いました。ポーズを指定するなど盛り上がっていました。

なお、食べきれなかった分は持ち帰ることができます。こうしたところにもカナダの環境と社会に配慮したサステナブルな姿勢が表れています。
2グループともにアフタヌーンティーを楽しんだ後は、お馴染みのスクールバスに乗り込みチリワック・アボツフォードに帰ります。帰宅ラッシュの渋滞に巻き込まれましたが、長いドライブの間、満足感と疲労感で眠りに落ちる生徒、興奮冷めやらずバディも巻き込んでおしゃべりに花を咲かせる生徒…各々が充足感に満ちた様子で過ごしました。チリワックに近づくと窓の外から牧場のにおいが漂ってきます。そうすると「このにおい、チリワックに帰ってきた!」と感じるほどにはカナダでの生活にも慣れてきました。
チリワックに到着する頃には昨日の夜から降っていた雨はすっかりあがり、雲の切れ間から日が差していました。ホームステイでも、最初は戸惑いがあったかもしれませんが、今はそれぞれの心に少しずつ晴れ間が広がっている頃でしょう。雨上がりの空のように、残りの日々も明るい気持ちで過ごせることを願ってやみません。
明日もバスに揺られてバンクーバーに向かい、今日とは異なる観光地を巡ります。
(引率教員)