学園ブログ

オーストラリア・ホームステイ2025 6日目

今日も、青空が気持ちの良いケアンズの朝でした。我々引率教員はホスト・ファミリーの車に乗って登校する本校の生徒らの到着を学校校舎前の道路で待つのですが、今日は、昨日とは異なる光景が印象的でした。どのような光景かというと、到着してすぐに車を降りるのではなく、車内でファミリーと軽く言葉を交わしたり、談笑したりしてから下車する姿です。一昨日や昨日は、まだ緊張しているのか、後部座席や助手席にピシッと座った状態で、下車する際に”Thank you.”と別れの挨拶をするのが精一杯な様子でした。

日を追うごとに、ホスト・ファミリーが各々の生徒にとってかけがえのない存在になっているようです。

本校の朝礼を終えると、次にバディのいる教室へ行き、NCCの朝礼に参加します。今朝は、Andrew先生とFiona先生のクラスが合同で行っている朝礼にお邪魔して、その様子を拝見しました。スクリーンに映されているのは、お祈りの歌の動画です。

今日見学させていただいたのは、「Math(数学)」と「Assembly」のクラスです。

Richard先生がご担当されるこちらの数学の授業では、前時の復習を兼ねた小テストが中心に展開されました。

 

先生からワークシートをもらい黙々と問題を解く本校の生徒たち。その姿を見ながら、数学は言語を問わず学ぶことができる教科であるということを再認識しました。そして、こちらのクラスにいるNCCの生徒さんたちは8年生(14歳)です。

授業の後半は、先生が各問の答えをスクリーンに示して、答え合わせをして終了です。日本とオーストラリアの数学の授業における大きな違いは、計算機使用の有無でしょうか。こちらでは、テストで問われるスキルごとに、計算機の使用が許可されたりそうでなかったりするとのこと。ちなみに、数学の授業で生徒が計算機を使用するのは、オーストラリアだけでなく、アメリカやイギリス、ニュージランドなどもそうですね。

さて、2時間目には、Andrew先生とFiona先生による「Assembly」の授業を見学します。本時では、まず、次回の授業のための導入活動として、学校内外におけるWellbeingに関するアンケートが実施されました。

質問事項には、以下のようなものがありました。

  • It is important that young people learn how to cope with stress and be resilient.

(若者がストレスに対処し回復力を高める方法を学ぶことは重要だ。)

  • I participate in classes where students are taught how to manage stress and be resilient.

(私は、生徒たちがストレスに対処し回復力を高める方法を学ぶ授業に参加している。)

  • Our school knows how to deal with bullying and harassment problems.

(私たちの学校は、いじめやハラスメントの問題に対処する方法を知っている。)

  • My views and questions are listened to and taken seriously by staff.

(教職員は、私の意見や質問に耳を傾けて真剣に受け止めてくれている。)

アンケートが終わると、次に、塗り絵が始まります。こちらは、一人で塗ってもペアで一枚の魚を塗ってもOK。

NCCで授業見学をしていて印象的だったことの一つは、授業の中で生徒が活動を行う際にその方法や進め方について比較的に自由度が高く選択肢の幅に寛容であるという点です。教師が一つのやり方を押し付けるのではなく、生徒自身が自分に合った手段やアプローチを選ぶことが尊重されており、それが学びへの主体的な関わりにもつながっているように感じました。もちろん、授業を担当する先生によって程度の差はありますが、これまで見学した授業では、多くの場合、課題の達成に焦点が当てられており、そのプロセスに関しては個人に一任されているという印象を受けます(“オーストラリアだから”というよりも、学校の特色なのかもしれません)。

この塗り絵活動も、アンケートと同様に、次回の授業に関連しているとのこと。次回の授業では「学年や発達段階が上がると、心情や身体にどのような変化が起きるか。」というトピックを扱っていくのだと、Andrew先生が教えてくださいました。今後の授業展開が気になりますね!

そして、6時間目が始まってしばらくすると、男子生徒たちと体育の先生数名が体育館から屋外に出て来ました。どうやら、これから課外活動でハイキングに行くのだそうです。そんなお話を伺っていると、前日にもバレーボールの試合に誘ってくださった体育科のZane先生が「一緒に行く?」とお声がけくださり、私もMountain Hikingに参加させてもらうことに!

この日、こちらの授業に参加する女子生徒は本校の生徒一名だったということもあり、戯れ合う男子生徒さんらを遠目に眺めながら、Zane先生、本校生徒、そして引率教員の3人で、日本やオーストラリアのことについて様々なお話をしながら、約一時間のハイキングを楽しみました。NCCの周りは非常に自然が豊かで、ケアンズの強い日差しを雲が適度に遮る今日のような日は、最高のハイキング日和でした。

 

さて、本日もHome Stay Journalの一部抜粋したものを紹介したいと思います。

(Student A)

My body was not feeling well, and went home at lunchtime.  I’m worried about her.  I hope she will get better soon.  After dinner, we played cards.  We talked about differences between Japan and Australia.  It was interesting and a good chance to listen to and speak English.  I thought my English improved, especially listening skills!

(Student B)

Today, I cooked my lunch for the first time.  I made a sandwiches with slices of the bacon and cheese.  It was delicious, so I was very happy.  Also, I watched a dance performance at the lunch break.  Many people look at it and it livened up the audience.  I was so excited.  My buddy‘s friends are very funny.  For example, suddenly she said, “The mathematic teacher loves math more than his wife and his children.”  I was so surprised and laughed.  So I love them tomorrow.  I want to talk about many topics with my buddy and her friends.

(Student C)

I realized the two things.  First, I started thinking in English in my head.  It is good variation.  But it easier to count numbers in Japanese than in English.  I’ll keep English only and in English as hard as possible.  Second, when I talk with my host family, I can speak faster without thinking deeply, so I’m very happy.

オーストラリア滞在一週目にして既に、英語力の上達を実感している様子が伝わってきます。これもすべて、彼らが本気で「英語オンリー」を貫いているからこそです。休み時間などに引率教員が神出鬼没で現れても、一切、彼らからは日本語は聞こえてきません。NCCの生徒さんたちと過ごす際に英語を話すのは当たり前ですが、同じ授業を受講中に本校の生徒らが隣同士に着席しても、黙り込むでもなくひたすらに英語で会話しています(そしてとっても楽しそう)。

“親バカ”と表現するのも変ですが、先述したような生徒たちの姿を見るたび、心から彼らを誇りに思います。

明日も、全ての生徒にとって多くの学びに溢れた一日になりますように。

 

(引率 櫻井・塩入)