PWUエクスチェンジプログラム〜JASMS ケゾン校との交流〜
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PWUエクスチェンジプログラムも4日目。交流としてはいよいよ最終日となりました。今日のプログラムは盛りだくさん。まずはJASMSケゾン校を訪問。ケゾン校の生徒たちと一緒に「おにぎり」を握ります。このおにぎりをPWUが支援している貧困層の児童が通う「トロ・ヒルズ小学校」に届けます。おにぎりを握るのは初めてのPWUの生徒たちに本校生徒は優しく握り方を教えました。
おにぎりを握り終えると、今後はケゾン校が交流をしているトロ・ヒルズ小学校へ。この学校は貧困地域に住む子どもたちが通ってきており、その支援をケゾン校は続けています。ホテルからケゾン校への道中で、このプログラムを計画してくださっている鈴木敬子様より、ある日本の鉄道会社によるフィリピン支援の話をお聞きしました。その中で、「一過性ではない継続的な支援の重要性」について話がありました。ケゾン校はこの学校の生徒30名に毎日朝ごはんを届けています。しかもケゾン校の生徒たちは自分のお小遣いを使って食料を調達します。まさに継続的な支援を続けています。
実はトロ・ヒルズ小学校は本校とも関係があります。昨年、PWUエクスチェンジプログラムに参加した現高等部3年生の2名が校内でリサイクル品(文房具、衣類など)を募集し、それをトロ・ヒルズ小学校の児童に寄贈したのです。小学校1年生2年生の児童とはじめに交流しましたが、彼らはその文房具などをもらっていました。このような支援もやはり継続されていくことが重要であると感じました。
小学校1年生2年生との交流は「見学」だけの予定でしたが、本校生徒の1名が「折り紙をあげたい」と言ったことから即席の折り紙プロジェクト第1弾が始まりました。
このプログラム中にどんどん本校生徒の交流に対する積極性は成長しています。結局、全員が小学1年生2年生と折り紙で交流をしました。
その後、場所を移して「折り紙プロジェクト第2弾」と「おにぎりプロジェクト」をはじめました。本校生徒1名にトロ・ヒルズ小学校の5年生6年生2名〜3名がグループになり折り紙で交流をします。
トロ・ヒルズ小学校の児童たちは想像以上に折り紙がうまく、本校生徒はみんな驚いていました。今日折り紙を学んだ児童たちは教室に戻り、他の児童にも折り紙を教える伝道師になってくれるとのことでした。トロ・ヒルズ小学校は貧困層の児童たちがいますが、鈴木敬子様は「彼らを可哀想と思わないでほしい。みなさんの価値観から言えば幸せではないかもしれないけど、でも彼らは幸せに生活している。幸せは一つの価値観でははかれないものだから。」とおっしゃっていました。幸せとは何なのか、改めて考えさせられました。
おにぎりを渡し、ケゾン校に戻り、スナックの時間となりました。今回も様々なフィリピン料理を用意してくださいましたが、その中に「バロット」がありました。バロットは「アヒルの卵で孵化直前に茹でられたもの」です。ケゾン校では屋上でアヒルを飼っており、新鮮な卵が手に入ります。はじめは「孵化直前??」ということで、本校生徒たちは恐ろしがっていましたが、やはりここでも食べてみようという生徒が現れ、みんなでトライ。「おいしい!」という声があちこちで聞かれました。
スナックのあとは音楽の授業。竹を使った3つの楽器、トガトと呼ばれる竹の筒、バテテと呼ばれる竹を打楽器にしたもの、さらにボンカカと呼ばれる竹の不思議な楽器を生徒たちは一緒に奏で、さらにはそれを伴奏にフィリピンの歌を一緒に歌いました。
昼食後、ウェルカムセレモニーが開かれました。ケゾン校の生徒からフィリピンの伝統舞踊を披露いただき、その後、本校からは初日のマニラ校でのセレモニーに続いてよさこいソーランを披露しました。腰を下ろすたびに大歓声が上がり、生徒たちはその歓声に負けないように大きな声で叫び、踊りました。
大歓声を受けたあとの午後は理科と体育。理科は化学分野でグループワークでケゾン校の生徒たちと一緒に考えを深め、フローチャートを完成させました。その後はアート。ケゾン校の生徒と本校生徒で一枚の絵を描きあげました。全員の絵を集めて並べたところ、なんと日本とフィリピンの国旗が現れ、アートの先生からはフィリピンと日本の友好について話がありました。
最後の交流は体育。ケゾン校のバレーボールチームと対戦…ではなく、ミックスでバレーボールを本気で楽しみました。
昨年度に引き続き、今年もPWUの皆さんから本当に精一杯の歓迎をしていただきました。鈴木敬子様の言葉通り、このような草の根の交流が続いていくことがフィリピンと日本の友好のために一番重要なことだと思います。有り難いことにPWUのマルコ学長からも「PWUとDCGの友好関係を継続することが重要だ」と本日のセレモニーでのスピーチで伝えていただきました。来年度もそしてその後も継続して交流し、「本当の交流は国境を越えて心をつないだ時に始まる」の言葉に負けないような関係性を築いていきたいと改めて感じました。また、このPWUエクスチェンジプログラムの継続にお力を頂いている鈴木敬子様、PWUのマルコ学長をはじめPWUのスタッフの方々、添乗いただいた旅行会社の方々、全てにこの場を借りて感謝申し上げます。
Salamat po!
<生徒の感想から>
「最初は、トロ・ヒルズの小学生たちは貧しい人が多いと聞き暗い印象を持っていましたが、いざ会ってみると明るい笑顔で迎えてくれて一緒に折り紙が出来上がったときはとても嬉しそうにしてくれてよかったです。」
「子どもたちにおにぎりを握りました。渡すときには興味を持ってたくさん話してくれて嬉しかったです。5日間を通して日本の文化が海外の人たちにも多く知れ渡っていることを深く感じ、多くの学びがありました。」
「音楽の授業では、フィリピンの伝統楽器を使ってみんなで1曲演奏しました。すべて簡単に鳴らせる楽器でフィリピンの文化に触れられて良い経験になりました。この5日間で経験したことを日本に帰ってからも活かしていきたいです。」
(国際交流係 山口)