オーストラリア・ホームステイ2025 15日目(最終日)
- 英語を活かすプログラム
- 国際交流・海外研修

2週間のオーストラリア・ホームステイも本日が最終日です。
オーストラリア到着初日よりお世話になってきたSun Pacific College(SPC)に、本校生徒を乗せたホスト・ファミリーの車が、8時の集合を目指し続々とやって来ます。
車から降りると、2週間のお礼とお別れを伝えます。この時点で、生徒もホスト・ファミリーも涙が溢れます。そして、カメラを構える私までもらい泣きをしてしまいました。
お別れを告げてホスト・ファミリーが車で去った後も涙が止まらない生徒たち。
オーストラリア滞在中に毎日学校への送り迎えを見守ってくださったSPCのスタッフであるRikoさんにもメッセージ・カードやプレゼントを贈る生徒もいました。
と、空港へ向かうバス待ちをしていると、バナナを美味しそうに食べている生徒を発見!どうやら、ホスト・マザーが、空港までお腹が空くからと、バナナを持たせてくれたそうです。ほっこりしますね。
全員集合したことを確認してケアンズ空港へと出発します!
直前まで涙で頬を濡らしていたものの、カメラを向けると、いつも通りのこの笑顔。バスの窓から差し込む朝日が、彼らの笑顔をさらに明るく照らしています。そういえば、SPCに初めて来た8月3日も晴天で太陽の光に照らされていた生徒らをふと思い出しました。
そして、バスは空港に到着し、全員で、預け荷物の手続きに向かいます。
荷物を預け終わると、通路を進んだ先で、SPCの校長先生であるTakaさんによる日本語解禁のカウントダウンが始まります。
Five, four, three, two, one… 日本語解禁!!!
生徒たちからどっと歓声が上がります。2週間ぶりの日本語。文章というよりも日本語の単語をぽろぽろとカタコトで話す様子が、可愛らしく見えました。
日本語解禁の儀を済ませ、さらに通路を進むと、我々が2週間前にも通った到着ロビーに出て来ました。写真右奥に見える焦茶色の扉から、引率教員を含む42名は出て来たのですね。
ここで、前述のTakaさんから、本校生徒に向けてのあるメッセージが贈られました。それは我々教員にとっても非常に心に残るものでしたので、一部紹介したいと思います。
「みんなはこういう時、『また会おう』って言うよね。でも、それはきっと、一生果たされない約束になる。旅先で会った人たちにまた会うことなんて2度とないだろう。ただ、そんな現実は辛いから、みんな、『また会える』とか『またいつかね』って言うんだ」
もしTakaさんと同じ立場であったなら、多くの大人は子どもたちに何と声をかけるでしょう。きっと、「また来れば会えるから」「また来られるよ」「これが最後の別れじゃないからさ」と、励ましの言葉をかけるのではないでしょうか。しかし、私自身の経験からも言えることですが、本音を言えば、Takaさんの仰る通りなのです。そうした約束が果たされることは無に等しく、まさに『一期一会』。だからこそ、彼は、誰もがするようなありきたりな言葉がけではなく、一生に一度きりの出会いを大切にし続けてほしいという思いを込め、このようにお話しされたのかもしれません。そして、次のように言葉を続けられました。
「全員、目を瞑ってごらん。目を瞑って、2週間前、この空港のあの扉から出て来た時のことを思い出して。到着したのは明け方だったね。そして、あの日は寒かった。まだ日が昇る前に、バスに乗ってSun Pacific Collegeに到着して、日本語が禁止になった。あの日から今日まで、出逢った人々、一人ひとりの顔をゆっくり思い出してごらん。行った場所、体験したこと、経験したことを、目を瞑って振り返ってみて」
目を瞑りながら、様々な感情や思い出が心と頭の中を駆け巡り、生徒の目から再び涙が溢れます。
「そして、どうか、その思い出をずっと忘れないでいて。みんなが体験したこと、出逢った人たち、ここで作った仲間、それらをずっと大切にね。…さぁ、目を開けて」
目を瞑り、一人ひとりが、違う顔、違う場所、違う体験を思い浮かべ、それらに思いを馳せました。
生徒にとってこのオーストラリア・ホームステイは、何事にも代え難い、一生の財産となる経験・体験になったに違いありません。もちろん、2週間、楽しいことばかりではありませんでした。異なる言語を使う環境で、伝えられない思いや感情を持ってもどかしさを感じることもきっとあったでしょう。ホスト・ファミリー宅の文化に馴染めない生徒もいたかもしれません。現地校のバディと反りが合う生徒ばかりではなかったかもしれない。しかし、40人誰一人として、自身の置かれた環境に不平不満を漏らすことなく、すべてのことに対して全力で取り組みました。そして、オーストラリアの地に降り立ったあの日よりも、彼らは確実に、強く逞しく、そして美しく成長しました。
Takaさんがお話しされたように、ここでの経験をいつまでも大切に胸に抱きしめ、これから先、どんなことがあったとしても、自分の中にはしなやかな力強さがあることを忘れないでいてほしいです。私たち教員は、生徒たちが様々なことに挑戦し、のびのびと活躍していってくれることをいつも願っています。
さぁ!こちらの旅客機に乗り、家族の待つ日本へ帰ります!
今回、誰一人欠けることなく全員無事に日本に帰国できたことを大変嬉しく思っております。保護者の皆様におかれましては、2週間、日本から温かく見守っていただきましたこと、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
オーストラリア滞在中、生徒ら一人ひとりと接する中で、他者を思いやる彼らの優しさや温かみのある言葉がけの後ろに、いつも、保護者の皆様の存在を感じておりました。私自身も、彼らから多くを学ぶ今回の引率となりました。このメンバーでオーストラリアへ渡航できたことを幸せに思います。
長くなりましたが、いつかどこかで、彼らのこの経験が点となり線となって、今後の人生が輝きで満ち溢れたものとなりますように。
最後に、生徒たちがこちらのブログを見て懐かしさを感じることができるように、今回お世話になったNCCの校内外の写真を残し、「オーストラリア・ホームステイ2025」のブログを最終回としたいと思います。
(引率 櫻井・塩入)