高等部始業式
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9月1日、高等部の始業式がありました。以下が校長の話です。
たいへん暑い夏休みで、気候変動が常態化している今、身近なことだけではなくそこから世界のことにも目を向けて様々なことを考えました。皆さんが自分の人生を自分で選択し、豊かな人生を送るために、転換点である現代をどう生きていくべきか、また、どういう社会になっていくか、という道しるべを示すのが大人や学校の役割であるからです。
『市民的抵抗 非暴力が世界を変える』(白水社 2023)を執筆したアメリカの政治学者であるエリカ・チェノウェス氏1900年から2006年の間の体制転換のための政治的運動について研究をし、暴力的運動よりも非暴力的運動のほうが体制転換の可能性が高いことを証明しました。市民の3.5パーセントが運動に参加すると成功の可能性が高まるのだそうです。21世紀に入り全地球的に市民的運動が前世紀の約5倍に増えましたが、哲学者の大澤真幸氏によれば、2021年の原子力発電所の倒壊、2015年の安保改正の時以外では日本の市民的運動は増えていません。
どうして日本では社会的市民運動が起きないのか。恵まれていて社会に不満がないわけではない。あまり社会的事象に関心がない、というわけでもない。皆さんにもその原因を考えてほしいと思います。
以上のような話をした理由は、①非暴力的な市民運動が社会を変える力になる、また、社会は自分の力で変えられるということを伝えたい。②社会的事象に関心を持ってほしい。③なぜ校則などの現状を変えようとする運動が校内でも起こらないのかについて考えてほしい。という三つの理由からです。
2学期は行事もたくさんあり忙しくなりますが、社会でどのようなことが起きているかについて関心を持ってほしい、暑いですが体調に気をつけて過ごしてほしい、という言葉で式辞は締めくくられました。
総務部