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第16回関数グラフアートカンファレンスに参加しました。

本校生徒5名が、8月23日(土)に東京理科大学神楽坂キャンパスで行われた第16回関数グラフアートカンファレンスに参加しました。このカンファレンスは、福井工業高等専門学校主催の第21回関数グラフアート全国コンテストで入賞した生徒たちが口頭発表およびポスター発表を行い、その中から最優秀賞および特別賞が選ばれる最終審査会です。中高数学科教員や数学教育を専門とする大学教員、そして参加者自身も評価者として加わり、投票で最終的な賞が決定されます。関数グラフアートは、文字通り関数を用いて様々な絵を描く数学とアートが融合した取り組みです。グラフアプリを用いて、実に様々なモチーフからなるアート作品を、関数を一つひとつ紡いで丁寧に仕上げていきます。関数を1000本近く使う作品も珍しくありません。田園調布学園では中等部2年・3年の冬休みの課題としてグラフアートに取り組んでもらっていますが、校内選考を通過した生徒の作品を毎年全国コンテストに出品しており、その中から今年度は中3(現高1)が6名、中2(現中3)が1名入賞しました。毎年グラフアプリの機能が充実し、なおかつ上級生の作品から刺激を受ける相乗効果でどんどん作品の技術レベルが上がっているように感じます。カンファレンスに集まった作品はどれも非常に工夫が凝らされており、口頭発表やポスター発表では自分がこだわった部分や苦労した部分、自身のアートを通して伝えたい部分などが熱をもって語られました。

    

そしていよいよ最終審査結果の発表となり、田園調布学園の中等部3年生の作品「前方宙返り」が特別賞に選ばれる快挙を遂げました。体操の部活動で練習していた前方宙返りの動きを映像に収め、その動きを忠実に関数で表現した作品です。宙返りの動き一つひとつに細かく関数があてられており、全体としてダイナミックな作品に仕上がっています。表彰式では、実行委員長である数学者の秋山仁先生が送り主である賞状を受け取りました。

  

↓入賞し、カンファレンスに参加した7名のグラフアートの作品(動かせる作品もあります)

関数グラフアートは、解き方や答えが決まっている「教科書的な問題」に取り組むこととは一線を画しており、生徒の自由な発想力が発揮できるところが魅力です。そしてその過程で、知らなかった関数の性質や特徴を発見することで、改めて数学の面白さに気づくこともできます。数学は本来きわめて自由な学問ですが、関数グラフアートを通して、その「自由さ」の一端を感じることができるのかもしれません。他校の生徒さんの作品もどれも素晴らしく、また色んな感想を見学者からもらうこともでき、生徒にとってとても貴重な体験となりました。(数学科 長岡敬佑)