学園ブログ

高等部2年 芸術鑑賞教室

高等部2年生は9月2日に能「敦盛」と狂言「棒縛」を鑑賞しました。

能「敦盛」では、平敦盛を討ったことを悔いて出家した熊谷次郎直実と、その平敦盛の霊とのやりとりと、複雑ながらにも強い関係性が鼓や笛、謡、舞いで表現されていました。終盤の、敦盛の霊が自分が熊谷次郎直実に討たれたときを一人芝居の舞いで表現する場面では、敦盛の高ぶる心情とともに、まるで二人いるかのような緊張感のある演技に圧倒されました。また、見る角度によって、喜怒哀楽の表情が変わっているように見える能面も印象深かったです。

狂言「棒縛」は、主人が留守中に酒を盗み飲みする家来の太郎冠者と次郎冠者を懲らしめるため、二人の手を棒で縛って出かけるという物語です。しかし、二人は工夫を凝らして協力しながら、縛られたままなんとか酒を飲もうとします。その様子がとても滑稽で、会話のやりとりや動きに笑いが誘われます。縛られていても諦めずに欲望に向かう姿に、人間の愚かさやたくましさが感じられました。シンプルな設定ながら、テンポの良い展開とユーモアにあふれた内容で、古典芸能の面白さを改めて実感しました。

高等部2年 行事委員