学園ブログ

図書委員会でビブリオバトルをしました。11/23にはイベントも

落ち葉も舞う秋のころとなりました。図書館のそとの庭園も木々が色づいています。黄色やオレンジ色、赤い葉っぱ。カシの樹の下には落ちたばかりのどんぐりもつやつや光っています。(いくつは図書館のカウンターに飾ってありますよ)

さて、図書委員会では、先々週に引き続き、ビブリオバトルを開催しました。

今回はなんと、教員を招いたスペシャル回。どの先生に本の紹介をしてもらいたいかは生徒たちが話し合いました。また、先生へ「出てもらえませんか?」という打診やスケジュール調整も生徒たちがしました。

今回、発表者を引き受けてくださったのは、数学科の伊藤先生です。先生は本校の卒業生でもあります。

生徒の発表者には、中等部1年生と中等部3年生が集まりました。総勢3人が本の紹介をおこない、聴衆は図書委員生徒も含めた約40人でした。

最初は特別ゲストの伊藤先生が紹介した『噛みあわない会話と、ある過去について』(辻村深月著、講談社)でした。

「この本は自分の記憶や他人の記憶がいかに不確かであるかを問うています。一方からみると善意の行為が、もう一方からみるとお節介だったりするという人間関係の脆さをついてきます。読み終わったあとは心がざわざわします。でも、お互いの関係においてかみ合わないということは悪いことではないと思います。辻村さんの本は人の心をざわつかせる魅力がありますね」と語りました。

在校生の頃の読書体験について質問がおよぶと、伊藤先生は「図書館でもよく本を借りていました。今もよく読んでいます。とにかく通学時間や空いた時間に本を読んでいましたね」と答えていました。その頃から読書家だったのがわかります。ゲストの先生の話に、生徒たちは最初から一気に引きこまれたようでした。

次は、生徒から『レーエンデ国物語』(多崎礼著、講談社)の紹介がありました。

「これは歴史ファンタジーで、第四巻までシリーズがでています。まだ完結していません。この本との出会いは池袋のジュンク堂でした。美しい表紙に惹かれて読んだのがきっかけです。それ以降多崎礼さんが大好きになって、本が発売されるたびに買い集めています。もしまだ未読の人がいたらぜひ読んでほしい」。

最後に紹介されたのは『夜明けのすべて』(瀬尾まいこ、水鈴社)でした。映画化された作品で、図書館でも人気があります。

質疑応答では、「タイトルとストーリーには関連性があるのか?」という質問がでました。発表者は「夜明け前の暗い感じから、やがて太陽が昇ってきて光が満ちていく様子は、主人公のふたりの関係や人生とつながっていると思います」と自身の深い読みを交えて答えていました。

今回、チャンプ本に選ばれたのは『嚙みあわない会話と、ある過去について』でした。

図書委員会では引き続き、ビブリオバトルを開催します。図書委員以外の参加も募集しています。

ビブリオバトルで紹介された本は、図書館に展示して貸出も開始しています。

今日の放課後には、紹介された本をがさっそく貸出されました。

ぜひ興味ある人は借りてくださいね。予約もできます。

 

今後の図書委員会では、言葉遊びゲームを高等部生が考案中です。

年に1回生徒が作成して発行する「読書の栞」(図書館報)も新しい企画を立てていよいよ始動のようです。今年は製作希望者が委員内外もふくめ17人も集まりました。昼休憩を中心に企画会議をしています。どんな内容になるか楽しみにしていてください。2026年3月に発行予定です。

参考までに過去の「読書の栞」をご紹介しましょう。著作権等の関係で一部になっておりますことをご了承ください。なお、図書館報は、本校図書館では紙のものを配付しています。学校説明会等でお受け取り下さい。(最新号の155号のみ配付しています。154号は残部がなくなりました)

読書の栞154(一部)

読書の栞155PDF

 

また、11月23日(日)には、本校の生徒も参加する(本校はビデオ参加)「高校生が考える 平和と戦争シンポジウム2025」もあります。

戦後80年、高校生が考える平和と戦争とはどんなものでしょうか。都内5校の高校生のプレゼンテーションやパネルディスカッションをぜひ聞きにいらしてください。

日時:11月23日(日)11:30~15:30

場所:LINEヤフー株式会社 オープンコラボレーションスペース〔LODGE〕

東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井タワー17階

入場は無料ですが、申し込みが必要です。ちらしのQRコードからお申し込みください。(11月16日 参加締め切り)

戦後80年を迎えて、かつての戦争の記憶が薄れていっています。しかし世界情勢は厳しく、人々は未だ武力によって亡くなっています。今回のシンポジウムでは、高校生が改めて「平和」とは何か、「戦争」とは何かを広く問い、発信していきます。大学の教員がファシリテーターとなったパネルディスカッションもあります(14:50~15:20)。

途中入場、途中退出も可能です。

 

秋はじっくり読書、そして興味のあるイベントに参加してみませんか? きっと自分の世界が広がります。

(司書 松井・二井)