次代へつなぐ礼法の授業
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本校では、中等部1年で週に1時間「礼法」の授業があります。これは創立以来の建学の精神や作法をを伝える授業ですが、今年度からは複数の教員が担当をしています。
初代校長川村理助先生が、建学の精神「捨我精進」に基づく思想や言葉をまとめた「如是集」を全面的にテキストに配し、1年を通して自身を振り返り、考えを深める授業にしています。2学期以降は、以下の授業が行われました。
何かの一員になることを楽しもう(担当 山本美穂子)
「集団の一員であることを楽しもう」をテーマに授業を行いました。「如是集」の「反対がなければこちらが成り立たぬ。故に反対は憎むべきでなく、感謝すべきである。此の広い心が生まれた時、はじめて一如の人となることが出来る」という一説を読み解いた後、まずは自分たちが属する最も身近な集団である“家族”のルールを友人同士で共有しました。同じ家族でも「当たり前」が違うことに気づき、意見の対立は自然なことだと実感。対立を乗り越え、互いの良さを組み合わせてよりよい考えを生み出す「アウフヘーベン」の考え方を学びました。さらに「熊を駆除すべきか」という課題について、駆除と保護の両立を探るグループ討議にも取り組みました。

将来の夢をかなえるために~目標の定め方~(担当 村越真紀子)
川村理助先生の「如是集」には、人生の目標について書かれた文章がいくつかあります。授業では、まず田園調布学園に入学してから立てた目標をあげ、それによって自分の取り組みにどのような変化があったかを考えてました。その上で、将来の目標(夢)に向かう自分をイメージして、文章とイラストで表現しましたが、個性的な楽しいイラストが描かれていました。学校生活のなかで、何事にも誠実に、興味を持って取り組むことで、将来の夢の「種」を見つけてほしいと思います。


自分をみつめよう(担当 細野智之)
1年前(中学受験に向けて勉強を頑張っていた時期)を振り返り、この1年間での自身の成長を振り返りました。「如是集」の一説に全心身をかけて取り組むことの大切さが書かれています。中高6年間で一生懸命取り組むことを意識して生活してほしいと思います。最後にこれから受験をむかえる受験生に向けてのメッセージカードを作成しました。1年前の自分を振り返ることで、相手の気持ちを考え、気持ちのこもったメッセージを書きました。


創造力とは。自分の興味関心を追究することを通して考える。(担当 兼子尚美)
「事に精進して居ると無限の妙案が湧いて来る。事実に即しての考案であるから、外れっこはない。」という一節を取り上げ、自身の体験をもとに考察を深めました。中等部に入学して一生懸命取り組んだこと、うまくいったことや行かなかったことを話し合い、うまくいかなかった場合の工夫も共有しました。「事実・体験」に即して工夫したことは「妙案」に近いものもあり、クラスメートの工夫からヒントを得て、今後に生かそうと話し合っている様子が印象的でした。川村先生のお言葉から、新たな発想も得られたようです。


他者の感性に耳を傾ける(担当 山田智之)
「如是集」から「澄む月に虫の音 はたと止みにけり」(試みにこれの下の句をつけてごらんなさい)という題材を取り上げ、情景を想像しながら自分で考えた句を、お互いに話合いました。より深く鑑賞・創作するにあたっては、作者の意図を探ってみようとすることの大切さにも触れ、川村先生の略年譜を見ながら「捨我精進」に至るまでについても簡単に紹介しました。最後に、言葉で表現できることと表現しにくいものの境目について考えたことを各自がまとめ、自分の思いを伝えるときの留意点を整理しました。


社会の一員としての自分を考える。~ルールやマナーは何のためにあるのか~(担当 長島和彦)
1学期に行った授業では、ルールやマナーとの向き合い方、仲間との協働について、「現在の自分は」「理想の自分は」「他者に要求することは」の3つについて考え、「みんなで同じ気持ちで取り組むからこそ、お互いが気持ちよく活動できるのではないか」と話しました。
今回は1年間の様々な場面において、理想的にできたこと、できなかったことを振り返り、「みんなで同じ気持ちでできたから成功した」という体験があったかどうか聞きました。あった人もなかった人もいると思いますが、今年の経験を次に活かしてほしいです。


「お茶席体験」(担当 西村弘子)
「作法」のうち、和作法室での授業は9月~10月に「席次」「座礼」「物の受け渡し」「食事の作法」を学び、2月にはその集大成として裏千家の抜山宗邦先生、荒川宗知先生のご指導の下、お茶席体験をしました。
生徒は真剣な面持ちでお点前を拝見しながらお菓子とお茶をいただきました。その体験からの気づきを生徒のコメントを引用して紹介します。
「日本の伝統文化のすばらしさを知ることができました。あいさつや道具のあつかい方など、一つ一つの動きに意味があることが分かりました。特に心に残ったのは、相手を大切にする気持ちを行動で表すことです。実際にやってみると、思っていたよりむずかしく、正しい作法を意識することの大変さも分かりました。今回の体験で、落ち着いて行動することや、相手を思いやる気持ちの大切さを学びました。これからの学校生活でも、ていねいな行動を心がけたいです。」
「お茶のいただき方で、ところどころ知っている部分はあったけれど、それらを繋げて違和感なく行うのは初めてで難しかったです。ひとつひとつの動作に意味や気遣いが含まれていて、素敵だなと思いました。特に、お茶を飲み終えるときに「ズズッ」と音を立てることが、「飲み終えました」と相手に伝えるためだということが、面白いなと思いました。今回お菓子やお茶のいただき方を体験して、普段あまり経験しないことを知れたので、実際にそのような場で活かせるよう、復習をしっかりしようと思いました。」



