第4回探究発表会
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2月21日(土)、第4回探究発表会を開催しました。
これは、中等部・高等部の生徒が、その年の探究の成果を発表するもので、早くも今年で4回目を迎えました。当日は、在校生保護者に加え、新入生や新小6の受験生、本校の探究に関心を寄せられた学校・企業など多くの方に来ていただきました。発表形態はポスター、スライド、演示など多岐に渡りました。
中等部2・3年生は、株式会社ヨックモック様からいただいたテーマをもとにした探究活動の発表を行いました。「お菓⼦を通じて、⼈と⼈とのつながりを叶えるモノ・コトをデザインしよう」を共通テーマに、各クラスでチームごとのプレゼン、選抜を経た合計11チームがヨックモック様に向け、講堂で発表しました。ヨックモックのお菓子を使いながら、それぞれのユーザー(やチーム)が考える「人と人とのつながり」とは何かを示し、それを叶えるモノ・コトを提案していきました。
当日の発表では、自分と保護者や長く疎遠になった友人、保護者とその幼馴染などユーザーの設定とそのつながりたい相手によって、背景や場面(シーン)、つながりたい度合いもさまざまに捉えていました。父親に感謝を伝えたいチームは、母の日のカーネーションのように、父の日に感謝を伝える手立てを考えました。ユーザー(生徒本人)はなかなか恥ずかしくてありがとうの想いを伝えられないなかで、謎解きが好きな父親向けに、敢えて数字をプリントしたお菓子を提案しました。ユーザー(生徒本人)の相手である父親がお菓子を受け取ると「この数字って何?」と聞き返します。すると、ユーザーから「パパと初めて旅行に行った日だよ」と会話が生まれます。これにより、単なる「いつもありがとう」を超えて相手を想っていることが恥ずかしさもなく伝わるというアイデアでした。そのほかにも、お菓子の入っている缶を利用しながらユーザーと相手の昔の写真を忍ばせておく班など、それぞれのユーザーの抱える課題(インサイト)に根差したアイデアを発表していました。

高等部1年生は、「探究ゼミ」の発表を各教室ごとに行いました。探究ゼミは、2025年6月から各自の興味関心をもとに12個のテーマに分かれ、外部講師の方のファシリテーションのもと、ゼミ形式で進めてきた探究活動です。「メディア・コンテンツ制作」、「表現・エンターテインメント」など情報の発信に注目したゼミや、「宇宙・新技術」、「物理学」など最新の科学がつくる未来について論じるゼミ、「国際協力・国連」、「人権・社会構造」など貧困問題や平和問題に切り込むゼミなど、テーマは多岐に渡りました。
「The Noise is the signal」ゼミは、高大連携に関する協定を締結している東京理科大学とのプログラムの一環で、理学部物理学科の山本研究室の山本貴博教授と博士課程の住吉亜衣菜さんが講師の探究ゼミです。誰しもが聴いたことのあるイヤホンのノイズがテーマで、これは、最先端の物理学では、ただの不規則な雑音ではなく規則のあるシグナル(情報)が潜んでいるかもしれないと考えられています。雑音の中にある見えないルール(法則)を見つけるべく、電気信号である電子の流れをビー玉を使って見える化し、電気信号の中に潜むノイズの性質について、各自がそれぞれ制作した装置を使って調べました。
装置の高さ(電圧)を高くすればするほどビー玉の速さ(電流)も速くなること、電力(電圧×電流)が大きいほど相対ゆらぎは小さくなる、つまりノイズが抑えられることが研究から分かりました。


高等部2年生は、各々の興味に沿った魅力ある発表をしていました。「観光地のごみ問題」をテーマにした生徒は、環境省にフィードバックをもらった例を紹介していました。質問やフィードバックに「子どもたちが行動につなげるためにはどうするといいか」がありました。生徒達は、「小学校の時にはゴミ処理場に行ったがその際は見学するだけだった。が、中学生からは、子どもが見るだけでなく、考えて、何か自身で発案したことをやりきった経験をつくることが大切」と提案していました。
「着物、現代ファッションに出会う。」をテーマにした生徒は、高校生新聞で記者もしています。着物と現代ファッションを融合するための工夫について会場で自身の案を提示し配付して、アンケート調査も行いました。現代性を出しすぎると着物本来の良さが薄れることもあるので、両者のよさを生かすことを模索したいと伝えていました。
「優先席は本当に機能しているのか―心理的負担から考えるサポート専用車両」の提案も画期的でした。自分の足の手術をきっかけにテーマを決めた生徒は、優先席の前になかなか立てなかった自身の経験をもとに内容を膨らませました。元妊婦の6人に聞き取り調査をしたところ、6人とも優先席に座ることに心理的負担を感じていた例を最初に話しました。どれも「周囲の目」視線が原因だったようですが、なぜこのようなことが原因となるのか、優先席の定義の必要性を掘り起こしました。質疑応答も活発で、これから多くの人が自分ごととして考えたくなるテーマでした。


また、発表会全体は生徒自身が司会・進行・質疑応答の管理を務める「座長制度」で進められ、これも毎年恒例となりつつあります。校内放送で次のセッションの時間を毎回放送したことで、生徒たちは効率よく教室を回れたようです。
今週と来週にかけて、生徒たちは探究発表会の振り返りを行います。同級生のみならず他学年の発表を見た生徒たちは、自分がもっていなかったような気づきや視点を確認しながら、すでに次年度の探究の構想を練り始めています。生徒一人ひとりがさらに深い問い立てや行動をしてくれることを今から期待しています。
(探究係 長岡)