学園ブログ

国語科 研究授業

高等部二年生を対象に、国語科研究授業が行われました。これは、実践を通じて授業の方法や技術を共有・議論し、学校全体で授業の質を向上させていくことを目的としたものです。

今回の単元は「和歌の修辞法」です。普段から古典の文章を読んでいる高等部の生徒も、共通して和歌への苦手意識がありますが、その原因として、和歌には抽象的な表現で感情を詠み込む独特の技術が用いられていることが挙げられます。今回の授業実践は、その複雑な修辞法について、いくつかの和歌を通して学び、その技法によってどんな効果が生まれているのかを明確に文章化し、発表する、という活動が行われました。

最初は難しい顔で頭をひねっていた生徒も、自分で考えを巡らせ、また班で友達の意見を聞くことで、少しずつ理解できてきたというような表情に変わっていきます。特にグループ内での発言は、それぞれの生徒が意外な視点に気づくことのできる貴重なものです。

自分の言葉で抽象化(概念化)することは、自力で他の和歌を読解していくときの助けになるはずです。そして、和歌に込められた複雑で繊細な「想い」を理解し、味わい、自分の言葉で説明するという技術は、古典のみならず現代文、ひいては他の多くの教科においても必要とされる力ではないでしょうか。古典の枠のみにとらわれない、柔軟な思考力・表現力を鍛えていく授業の形が、これからの国語に求められます。(国語科 浅井)