学園ブログ

議論白熱。3時間。高校生直木賞

今回、文藝春秋社主催の「高校生直木賞」に参加させていただいて分かったことが三つあります。
一つ目は、この世には様々な本の読み方があるということ。私は、最低二度は読み返すことが多いのですが、二度目は調べながら読むという方や、そもそも二回読むのが好きではないという方もいて、とても刺激になりました。また、初読の感想を二回目以降で分析し、なぜそう思ったのかを突き詰めて考える人もいました。
二つ目は、この大会に来られていた人は、本を読みなれた方ばかりだったこと。当たり前のように思っていましたが、「高校生直木賞」を選ぶ際には読みなれていない方からの視点が薄くなってしまうのは難点だと思いました。また、人によって好きなジャンルが違い、それによる候補作の読みやすさが変わっていることを興味深く感じました。
三つ目は、何を以って選んでいるかによって候補作に対する評価が一変するということ。「高校生が手に取りやすい本」を基準に選んでいる学校は『あとは野となれ大和撫子』を選び、「高校生に読んで欲しい本」を基準に選んだ学校は『火定』、「純粋に面白い本」を基準に選んだ学校は『くちなし』を選定した印象が強く残りました。
3時間にも及ぶ白熱した議論で、考えさせられることが多くありました。一生に何度もない、とても貴重な体験をさせていただきました。また、文藝春秋社の編集の方からは、会の終了後に編集者の仕事内容なども教えていただきました。私は将来本に関する仕事に就きたいと思っているので、現場の話を聞けて勉強になりました。ありがとうございました。
(図書委員)