学園ブログ

小さな作家たち 童話創作の会から

昨日の文芸部では、プロの児童文学作家 深山さくらさんをお招きして「童話の会」を行いました。

集まったのは17人の童話を書きたい生徒たち。

生徒の意見から、テーマは「さかな」に決めて、それぞれが5月中に童話を書きました。

400字詰め原稿用紙、5枚以内。17人分の童話をあらかじめ全員がほかの人のものも読み、合評会にのぞみました。もちろん、深山さんも全員分を読み、一人ひとりへのアドバイスを丁寧に書きこんで持ってきてくださいました。

はじめて童話を書いたという人も多くいました。文芸部や図書館のよびかけで、中等部1年生から高等部3年生までの有志が集いました。同じテーマで書かれたほかの人の作品を読むこともスリリングでしたが、何より「合評会」は、全員が初めての体験でした。

とはいえ、始まるうちに、緊張の中にも心地よい空気が流れました。

合評とは、何人かの人が集まって、ある作品・問題などについて批評し合うこと。またその批評のことです。「新作を合評する」などと使います。
深山さんは、本当に的確にアドバイスをくださいました。

最初に、「童話」は「子どものための創作物語」という基本を確認しました。
そのうえで、次のような点について、個々の作品にそって細かく教えてくださいました。
・主人公とモチーフについて
・起承転結について 特に「結」には、希望があるか、読後感はよいかが大事。

基本としては、
・原稿の向こう側には読み手がいること
・誤字脱字がないようにすることや、10回以上は推敲すること。(手書きの原稿用紙からは文字からもその人となりや、物語に対する気持ちがにじみ出てくるもの。それを聞いてドキッとした顔をしている人が何人もいました。パソコンの活字にはない、手書きだからこその味わいと意味を感じました。)
こういったことは、「伝える」「伝わる」に関して大切な姿勢だと感じます。
童話作りだけではなく、ふだん接する多くのことがら(授業や部活、家族や友人とのコミュニケーションなど)表現することすべてに通じる考え方でした。
深山さくらさんからの「今しか書けない話がある。今日かけても明日には書けないものばかり。だから書いてください。今書けるものを。」という言葉に、生徒はハッとしたようです。

「小さな作家たち」がどう育っていくのか、これからも楽しみでしかたありません。
(文芸部顧問 二井)