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田中優子 法政大学総長と語る ~高大連携プログラム~

高大連携プログラムとして、法政大学の田中優子総長に講演をしていただき、そのあとは、高等部生徒の有志との座談会も行いました。会場は、なでしこホールで、スクリーンをズームにつないで講演生徒35名、保護者25名が聞き、自宅では、約100名が聞きました。

講演は、まず、コロナ感染症下における法政大学の取り組みと、今できることは何かの紹介からスタートし、そのあとは、これからの時代に何が必要なのかという話などを伺いました。

 

 

印象的だったのは、女性に好奇心を持ち続けてほしいというメッセージです。男性は60%できると、「できる」というのに対して女性は、120%できても「できた」とは言わないという例を紹介し、役職につくように言われても「できなかったときに人に迷惑がかかるから遠慮したい」と言う女性が多いともコメントされました。ただ、ご自身の経験から、「やってみないとわからない、新しい場所に行くと新しいものが見える。学部長になると大学全体が見えた。総長になると日本の大学が見えた。コロナになり、世界の大学が見えた。」とおっしゃり、女性が一歩先に進むことを促されていました。

講演後は、生徒や保護者から、大学の第2外国語による授業や、コロナ禍におけるクラブ活動についての質問があり、丁寧に答えていただきました。

 

後半は、高等部1年生2名、高等部2年生3名との座談会でした。生徒たちは、それぞれの質問を田中総長に投げかけ、答えをいただきながら、さらに考えを深めました。

 

以下、対話からの抜粋です。

Q私自身は、主体性があると思えないが、主体性があるといえることの基準は何だとお考えですか?

A難しい質問ですね。外見ではわからず、話でも分からない。「私はこう思う」と、自分の言葉で語れるということだと思います。声高に言う必要はありません。自分に自信を持つためにとても大切なのは、うそを言わないということ。また、本を読んで、この言葉いいなと思えば、自分で取り入れるとよいですよ。読書は、自分の言葉を探すためのもので、その言葉の組み合わせ方で自分の言葉になっていきます。借り物の言葉を使わないことも大切です。

 

Qコロナ禍の今、大学に入る前にしておくべきことは何でしょうか。

A本を読むことですね。本を読むのは慣れの問題です。私自身は、時代的に漫画は子どもが読むものと思っていたこともあり、漫画を読むことがとても苦手です。しかし、本を読むことはとても好きでした。読んでいるとどんどん読めるようになります。私は、近代を文学をしようと大学に入り、ひょんなことから江戸文学に出会いました。「出会い」も大切にしてください。

合間に、生徒たちが自身の好きな本の紹介も行いました。また、女性の活躍について、人と比較しない自己肯定感(基本的自己肯定感)を持ってほしいと、田中総長から生徒たちへのエールがありました。

最後は、生徒たちが、これからの決意表明をして、座談会が締めくくられました。

 

(進路指導部 村越・羽坂)