学園ブログ

海外校と共同制作を行いました。ー絵画に願いを込めてー

美術部と高等部2年生の有志の生徒で、海外の学校と一緒に共同制作を行う、「アートマイル国際協働学習プロジェクト」に参加しました。これは、アートマイルという団体を通じて海外のパートナー校と連携し、インターネットを使って「教育」「平等」「環境」など世界共通のテーマについて対話的・協働的に学び合い、世界に訴えるメッセージを込めて一枚の壁画(1.5m×3.6m)を半分ずつ描いて共同制作するプロジェクトです。

緊急事態宣言中の2020年4月、Zoomミーティングを行い、皆で話し合って参加を決めました。6月にアートマイルの本部から連絡があり、本年度の学習テーマを「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」として、「世界が今直面している様々な課題について当事者意識を持って考え、自分たちはポストコロナの時代をどういう時代にしたいのか議論して、自分たちの答えを見つけ、その想いを形にする」という方向性が決まりました。そして、相手校はアメリカのジョージア州にあるSKAアートアカデミーという絵画教室に決まりました。本校は初参加でしたが、相手校は数回参加したことがあり、色々と相談しながら進めてゆきました。フォーラムという掲示板と、メールなどで連絡を行いました。

7月、SKAアートアカデミーと自己紹介し合うところから始まりました。生徒たちは、お互いに英語で作った自己紹介をスライドにまとめて送り合いました。
10月、お互いの国や地域での新型コロナウィルス感染症の状況、対策や課題、自分たちがやっていることなどをスライドにまとめて発表し合いました。
11月、調べ学習終え、壁画のテーマを「ポストコロナの時代を、助け合いながらともに乗り越えてゆく」と決め、下書きの作成に移りました。中心には地球を描き、その上に平和のシンボルである「ピースマーク」を描く事が決まりました。壁画の右側が本校、左側が相手校が、それぞれ学習した内容を踏まえ、願いを込めて下書きしました。

 12月、まずは本校が壁画の作成に移りました。1.5m×3.6mの大きなサイズです。皆で協力して描き進めてゆきました。そして、12月末中旬、こちら側の壁画が完成しました。完成したのち、すぐにアメリカに発送しました。

数日後、相手校に到着。すぐに制作に取り掛かってくれました。1月1日に、壁画が完成したとの連絡がありました。

そして1月8日、本校に壁画が戻ってきました。学内での展示を行い、制作に参加しメンバーで振り返りを行う予定です。

生徒たちは、この共同制作を通して多くのことを学ぶことができました。相手校のあるジョージア州では、今年、様々な出来事に直面していました。新型コロナによる感染拡大、医療のひっ迫、大統領選挙や黒人差別の問題など。いつしか本校の生徒たちも、彼らと一緒に制作を行ったことで相手校の地域で起きている出来事を自分事とし捉えるようになっていました。

この共同制作を通して、多くのことを学び、考えることができたと思います。海の向こうの友人たちと共に「この時代を、助け合いながらともに乗り越えてゆく」という決意を胸に、この時代を力強く乗り越えていってほしいと思います。

(芸術科 美術 長峰)