学園ブログ

高等部2・3年生精進講話

 11月17日(水)のLHRで高等部2、3年生は教頭先生の精進講話をうかがいました。

 11月は、多くの学年で進路選択をする大切な時期であり、より良い未来を築けるように自分自身と向き合う時間が多くなります。本日は教頭先生のお話をうかがって、本校の建学の精神である「捨我精進」をより深く考え、自己と向き合うための5つの問いに答えることで、今までの自分を振り返りました。

 

1)今の自分は好きですか。

 この問いには、皆が悩みながら回答していました。よく日本人は自己評価が低いと言われますが、それは各々の目標とするハードルが高いと考えることができ、それ故に日本人は勤勉であると外国からは捉えられることがあるのではないのかと教頭先生はおっしゃいました。 また、人間形成には人と人との関わりが重要であり、その中でchemistryが起き、新たなものが生まれてきます。

 人との交流を積極的に楽しみながら目標に向かって努力すること、またそのような自分を一層好きになれるように日々を過ごしたいと思いました。

2)私学で過ごした4年間と7ヶ月または5年間と7ヶ月。

ー「あなた」は、いつ「自分」になりましたか。

 私たちはこの世に生を受けて生まれました。「生まれる」というのは受け身の動詞ではありますが、その受け身の人生を主体的に生き抜くことが出来るようになるときが、「自分」になったと言えるのではないのかというお考えをうかがい、自分のことを自分で責任を持って考えるという作業はとても大切なのだと感じました。

ー「あなた」はいつ「田園調布学園の生徒」になりましたか。

 高校生になると学校を主体的に運営する機会が多くなります。今まで受け継がれてきた伝統を未来へとつなげていくために、田園調布学園の生徒であることに誇りと責任を持ち過ごしていきたいと思いました。

3)自分にとっての学校とは。

 百年経つと、形あるものは失われても、その理念は残っていきます。学校とは生徒・教員・校舎の三つの要素が合わさって出来ており、その理念が受け継がれていくことであるのだとうかがい、当たり前のように過ごしているこの環境や人々との関係に、改めて目を向けることができました。

4)改めて、「捨我精進」を考える。

 「捨我精進」とは、 自分本位の我を捨て、目標に向かって努力を続けること、他人よかれと行動することです。

 本校では体験、経験の重要性を様々な場面で学ぶことができますが、「他人よかれ」と行動することは、自分の行動が周りに影響し、反対に周りからも影響されて人と人との絆を強めることであると先生はおっしゃいました。

 多くの人が「他人よかれ」という考えを持つことで、お互いに影響を与える良いサイクルが生まれ、そのためにも自分がその出発点として日々過ごしていきたいと思いました。

5)田園調布学園(調布学園)のDNAとは。

〜1926年(大正15年)から95年間、脈々と続き、私たちに受け継がれるもの〜

「まだかまだかと頂上ばかり望んで山を登る者は、多くは頂上に達しない先に弱り果ててしまう。これに反してよく足元に気をつけ、一歩一歩を踏みしめつつ順序よく進むものは、容易く頂上に到達する。人生の登山者も此の一歩一歩を積む覚悟が肝要である。」

(川村理助先生「如是集」より 昭和10年発行 創立30周年記念ー昭和31年ーに抄録作成)

 私は、このお言葉から日々の勉強について改めて考えてみました。高い目標ばかりを見すぎると、時には目の前のことがおろそかになってしまいます。そうならないためにも、一歩一歩焦らず取り組み続けることが最後にはその目標達成につながるのだと思いました。また、一見遠回りのように見えても基本に忠実に進めていくことこそが、最短で自分の目標にたどり着けるのだと考えました。

 

 以上の5つの問いから、「自分」という人間は自分一人で成り立っているのではなく、周りの環境と社会の中で存在していること、また、田園調布学園で過ごしたこの時間が自分にとってとても大切な時間であることに改めて気づくことができました。これからも感謝の気持ちを忘れず、精進講話を受けて考えたことや、新たな気づきと今一度向き合い、これからの進路やその先にある自分自身の未来に責任を持ち、後悔のない選択をしていきたいです。

(高等部2年生)