学園ブログ

高2 九州学習体験旅行 2日目

九州学習体験旅行二日目です。今日はまず、仙巌園を見学しました。
仙巌園は、薩摩藩19代藩主 島津光久によって建てられた島津家の別邸で、広々とした園内には、至る所に薩摩藩・島津家の歴史や文化を物語る貴重な文化財が残されていました。

庭の景色は、桜島や錦江湾などの大自然を取り入れていて、とても雄大でした。今日は昨日と同様に快晴だったため、自然の織りなす美しい様子をカメラにおさめることができてよかったです。

仙巌園見学後は一気に北上し、熊本県の水俣市へ向かいました。

私たちは事前学習として、水俣病について調べたり映画『MINAMATA』を鑑賞したりしました。今回は、現地でより深く学び、考えるために水俣病患者の方を支援する「相思社」の方に水俣市を案内して頂きました。

水俣病は、新日本窒素肥料株式会社(以下、チッソ)の工場排水の中に含まれている有機水銀を含んだ魚介類を人間が食べることで引き起こされた病気です。

主な症状は、手足の痺れ・痙攣・歩行障害などです。しかし、問題は具体的な症状だけでなく、当初は未知の病気だったために「伝染病」だとされ、根拠のない差別に苦しめられたことでした。その後、細川一(はじめ)医師らの研究により症状の原因が水銀中毒だと分かっても廃水は流され続け、被害は八代海の広い地域へと広がりました。

水俣の経済を支える大企業のチッソに対して、医師や患者が声をあげることは難しいことでしたが、彼らは病の苦しみを訴え続けました。しかし、患者の認定や救済の補償がされるようになると、今度は「お金目当てのニセ患者」などの中傷が生まれました。

今回のフィールドワークを通して、水俣病に関する正しい知識や相手を思う気持ちの欠如がこのような差別・偏見を生むのだと痛感しました。今も多くの方が苦しんでいるという事実を忘れてはいけないと思いました。

水俣病から学び、私たちは同じ失敗を繰り返さないようにするべきだと強く思いました。

今夜のホテルは、大きな温泉があり、ゆっくり休むことができました。明日は最終日です。長崎へ向かいます。

<高2 学習体験旅行委員>