学園ブログ

人を通して本を知る、本を通して人を知る

図書委員会では今学期、4回のビブリオバトルを開催しました。

6月の3回目はスペシャルゲストとして、教員1名が発表者として参加しました。「先生はどんな本を紹介するんだろう?」。発表を聞く生徒たちも自然と前のめりになります。おまけに、この日は図書委員以外の生徒からも「ぜひ聞きたい」という声がありいつもに増して多くの聴衆者でにぎわいました。

先生いわく「伏線がすごい本です!」。

 

 

接戦でしたが、この日チャンプ本に選ばれたのは、高等部2年生が紹介した『われら滅亡地球クラブ』(向井湘吾 幻冬舎)でした。

「この数年間、コロナ禍でいろんなイベントが中止になったりした。そんな時、何のためにがんばったのか、やったことに意味はあるんだろうか、とみなさんは考えませんでしたか? この本に出てくる主人公たちは、地球が滅亡するとわかっていながら、当たり前のことを楽しんで生きていてそこに意味を見出しました。私もそんな彼らの意思に共感しました。大好きな作家の本なので、ぜひぜひ読んでほしいです。」

熱いメッセージが聴く人の心を打ちました。

1週間後には、つづいて第4回目を開催。この日は、発表者に図書委員以外の生徒を2名迎えました。

高1の生徒がこの日持ってきたのは、ノンフィクションの新書でした。『ヤングケアラーってなんだろう』(澁谷智子 筑摩書房)

「ヤングケアラーを知ったのは新聞がきっかけ。当事者の言葉が載っていて、自分が当たり前に送っている生活は実はすごく恵まれているのだと考えた」。委員会ビブリオバトルでは珍しい小説以外のジャンルです。いま問題になっている社会的な問題とあって、聴衆からも的を射た質問が矢継ぎ早にでました。

「ヤングケアラーの解決策は何があると思いますか?」、「ほかの発表者が紹介した『レモンの図書室』の主人公もヤングケアラーではないか」……3分間があっという間に感じるほどでした。

2学期もビブリオバトルを継続して行います。紹介された本は図書館で貸出できるので、生徒のみなさん、興味がある人は借りにきてください。「私もすきな本を語りたい」、「チャンプ本をとってみたい」という方はぜひ参加してみてね。用意するのは、「本への情熱」のみです!

(司書 松井)

  

2021ビブリオバトル