中等部文化講演会 女性のエンパワメントを考える
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今年度の中等部文化講演会は、エバンジェリーナ アロヨ バーナスさんをお招きしました。ルリ バーナスさんとして皆さんに親しまれている、フィリピンのアロヨ元大統領のお嬢様です。この度本校での講演会のためにはるばるフィリピンから来日してくださいました。
講演のタイトルは「Fostering Leadership through all-girls schools」。女子校でリーダーシップを発揮することの大切さを英語でお話ししてくださいました。ルリさんも中高を女子校で過ごされ、以前はフィリピン国立美術館の館長、そして現在、駐オーストリアフィリピン大使に任命されています。
フィリピンでは政府やNGO等でリーダーとして活躍する女性が昔から多く、法や政策でも女性の指導者を支え、女性の力を引き出す働きかけをしているそうです。
講演後の質疑応答では、「ルリさんが海外で働いてきた中で最も大変だったことは何か」「男女平等と女性のエンパワーメントの違いはどのように説明できるのか」などがあがり、その都度ルリさんは笑顔で丁寧に答えてくださいました。
ルリさんの講演の後は、ゲストスピーカーとして池田製茶株式会社の池田研太氏からお話を伺いました。茶師十段を持つ池田さんは、積極的に海外に販売拠点を展開しており、現在はフィリピンと提携してお茶のお菓子を製造し、フィリピン国内で広く販売されています。「伝統文化を大切にすると同時に新しい世代にイノベーションを起こしていってほしい」というメッセージをいただきました。
講演後は交流会を開き、ルリさん、池田さんとさらに話をしたい生徒たちが多く集まり、個々でさまざまな質問をしていました。中3生の一人は、最近の授業で学んだバリ島の女の子たちが始めたプラスチック廃止運動に関する内容を踏まえ、フィリピンの環境問題について熱心に聞いていました。
以下は生徒の感想です。
どうしてもまだ日本では女性のほうが弱い立場にあるという風潮があり、発言することや、政治の中心となる人物が少ないという点が課題だが、日本でも女性が活躍する社会を更にすすめていき、本当の意味でみんなが過ごしやすい世の中を作る必要があると感じた。私たちが成人して社会に出る頃には、今よりも女性が社会で活躍できる機会が増えていると思うので、そのためにこの学校で過ごすこれからの3年間で、一人の女性として自立し、生きていける技術を身に付けたいと思った。
世界規模で見たら自分のことが小さく見えるかもしれないけれど、自信を持って行動することが大切であると感じた。相手にしっかり伝えたい内容を伝えることも大切であると分かった。大勢の前で発表するときや、相手に自分の意見や考えを明かすとき、自分の言いたいことを簡潔に自信を持って行うことができたらいいと思う。
(中等部3年英語科 平福)