学園ブログ

インタビューをする前に~中等部2年 探究 

中等部2年生は、デザイン思考を通じて探究を進めています。

前回は、探究プロセスの流れを大まかに知りデザイン思考で大切にするポイントを振り返りました。

その過程で、対話とはどういったことかを体感するため、生徒たちは「対話型鑑賞」を体験しました。

まず、生徒たちは同じ絵をじっくり見ました。次に「このなかで何が起こっていますか?」という教員からの問いが発せられました。

ちょっとどぎまぎしている様子の生徒。しかし、「ここには正しい答えなどありません。自分が絵から何を見いだしたのか、どこからそう考えたのかを自由に話してくださいね。」という言葉に少しずつ手が挙がっていきました。思い思いの考えや感じ方を発表する生徒。互いにうなずいたり、え? という疑問の顔を向ける生徒も。それぞれの意見を言い合うことで、他の人の意見と自分の感じ方を比べ、自然とコミュニケーションをする姿が見られました。

ここでは、作品にまつわる歴史を教わったり意味を覚えたりするのではなく、じっくりと作品をみることを通じて、自分なりの見方を言語化したり、他の人の話を聴くことを通して、ものをみる目や対話する力を深めることをねらいとしています。

はじめての経験に「楽しかった、またやりたいです」という生徒が多くいました。

 

デザイン思考では、次の5つのステップを進めながら課題解決をしていきます。

「さぐる、きづく、ひらめく、つくる、ためす」です。今日は、基礎ワークとして「さぐる」を体験しました。

学校生活の中で困っていることを相手から聞いて書き出すところから始めました。

聞き出すときには、インタビュー術が必須です。インタビューの肩慣らしとして、生徒たちは、3人チームになって「話す人、聴く人、観察者」の3つの立場を交代しながらそれぞれ体験しました。

その時、聴く人の話す人に対する態度を、わざと2種類に変えて体験しました。

一つ目は、聴く人が「完全に無視する」態度。もう一つは「相づちをうつ」態度。聴く人の態度によって、話す方の感じ方は全く違う(変わってくる)ということを生徒たちは身をもって経験しました。

こうして聴き手が工夫できることは何かを考えました。さらに立場を逆転させて、話し手が工夫できることはどんなことかも体感しながら「ユーザー・シーン・困りごとを知る」ワークを進めました。

今後は、「本音と建前」の秘密や、ユーザーの行動観察なども体験しながら考える予定です。ますます楽しみになってきました。

(担当 二井)