学園ブログ

高1一日校外 事後学習 東京大空襲体験講話

高等部1年生の一日校外学習の事後学習として、語り部の西尾静子氏から東京大空襲の体験講話を伺いました。例年一日校外学習の見学場所、東京都慰霊堂で講話を聴いていましたが、今年度は本校に来校されて講話をしてくださいました。

西尾さんは6歳の誕生日を迎える前日の1945年3月9日、東京大空襲に遭遇し、家の近くにある墨田工業学校の地下室にお母さんに背負われて避難しました。地下の外では木造校舎が焼け落ち、ドアの隙間から入ってくる煙に苦しみながら長い夜を過ごしました。地下の外では扉をたたく音、「とびらをあけろ!」と叫ぶ声がしても地下室にいた大人たちは黙ったまま扉をあけようとはしなかったのを見て、子どもごごろに「開けてあげればよかったのに」と思いながら過ごした時のことは、生涯トラウマとなりました。地下室の扉が生死を分け、その地下室での恐ろしい体験が幼い西尾さんの心を破壊し、その時の記憶を語ることは60歳になるまでなかったのは、自己防衛のためでした。

また日本獣医畜産大学(現在の日本獣医生命科学大学)を卒業し獣医師として国立感染症研究所に就職をし、ポリオをはじめとする感染症の研究に携わるなど、将来の職業に絡めて話してくださいました。

そして最後に「戦争はすべてを破壊して、何も生みだしません。せっかく生きのびてもこころが壊される残酷な戦争が二度と起こらないように、皆さんは平和を、そして命を大切にしてほしい」というメッセージをいただきました。

(高等部1年担任 鴫原京子)