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第五福竜丸展示館の絵画を修復しました

美術部では、2019年に都立第五福竜丸展示館(東京都江東区)より「マグロ」の絵を描かせていただく機会を頂き、寄贈しました。
今回は新たに依頼いただき、同館内の船の絵解き図の修復を、当時の美術部員である卒業生たちが担当しました。

↑寄贈した作品と当時の新聞記事。

同館では、1954年に米国の水爆実験で被ばくしたマグロ漁船「第五福竜丸」を保存しており、その歴史をパネルなどで展示しています。
その中で、第五福竜丸の絵解き図が経年劣化により絵具が一部剥離してしまい、その修復をしました。制作時に使用された絵具もわからず、手探りの状態からのスタートでした。

  

木材のパネルの表面に紙が貼ってあったのが一部破れてしまっていたり、絵具が剥離してしまっていたので、表面に薄い和紙を張り付け、色を合わせて着彩作業を行いました。最初はアクリル絵の具を使用しましたが、厚みが出すぎてしまい、表面を紙やすりで削って調整したり、水彩絵の具や日本画の顔彩絵の具を使用してみたり。トライアンドエラーを繰り返しました。裏面の修復は中学生も作業に参加しました。
 

 

少しずつ完成に近づいて行った様子↑

最終的には、修復した、と言われないとわからないほどまで完成度の高い修復作業ができました。
卒業生たちは人生初めての修復作業をすることができ、貴重な経験をさせていただきました。そして卒業しても続いたご縁に感謝していました。

(美術部顧問 長峰)