学園ブログ

次代を見据えた大学選択とは  ~高大連携プログラム~

  一昨日水曜日に行われた留学・海外大学進学についてのプログラムに続き、本日は国際教養大学キャリアセンター長の三栗谷俊明先生をお迎えし、複雑な課題と急速な変化に満ちた現代を生きるにおいて求められる力を国際教養大学(AIU)の視点からお話いただきました。

  秋田空港にほど近いAIUの美しい施設、とりわけ充実した図書館などのスライドでまるで景勝地紹介のように始まった講演ですが、生徒たちが今生きている時代をグローバル化、少子化、安全保障などの切り口でひもとかれると、会場となったプラザも真剣な空気に包まれます。めまぐるしく変化するグローバル社会では、今後の若者は今存在しない職業に就く可能性が半分で、仕事の中でテクノロジーに適応できるかが重要であり、そこにAIUが文理融合の「国際教養」を提唱する理由があります。人工知能(AI)が労働力を肩代わりする中、さまざまな知識を組み合わせて行う高度な判断が人間の役割になること、そうした正解のない問いへの対応力をつける学びが高校でも大学でも推進されていること、しかしそこには議論やディスカッションはできるがそれを深めるための知識がない学生が育つという落とし穴もあることが分かりました。

 AIUはすべての大学の授業が100%英語で行われています。一般教養の代数もスペイン語も英語で教わりますし、全学生に義務付けられる1年の海外留学時の大学の授業は、非英語圏でも英語で行われています。そのAIUにあって三栗谷先生は「まず大切なのは母語で長い文を読みきる力、そのうえでの英語と数理のバランス。」と強調されます。

 それでは田園調布学園の生徒たちが未来の選択のために今すべきことは何でしょうか。先生は「高校時代までにまず人に興味を持つこと。経験値量を増やすこと。母語でたくさん読める、そして実際に読むこと。そうしてアイデンティティ、つまり『自分』というものを確立しておけば、その土台の上にグローバルなものの見方を身に着けるのは難しいことではない」とお話しになりました。予測がつかない未来に不安はつきものですが、日々の学園生活を通して人とふれあい、伸びやかに視野を広げることの大切さを再認識させられるご講義でした。

 講演後には、留学経験のある卒業生(明治大学)も加わり個別相談会が5時半まで行われました。保護者も生徒も熱心に質問をしている姿が印象的でした。

(英語科 田中)

DSCF1565[1]  DSCF1571[1] DSCF1569[1]