学園ブログ

高等部3年生よりメッセージ ~「私の図書館」~

今年卒業した高等部3年生が「私は学校図書館をこう使った」とエッセイを寄せてくれました。
在校生にも,そしてこれから(何年後かに)中学生・高校生になろうとしているあなたにもきっとヒントになる! 図書館や本との出会いについてのアイデアがつまっているので紹介します。

特に今の中学生・高校生にはお役立ちだと思います。
書いてくれたのは国際教養大学に進学予定のHさんです。

 

『私の図書館』

私にとって、学校の図書館は、勉強と自分の興味・関心を繋ぐ架け橋のような場所でした。面白そうな本や記事を手に取ることが、受験勉強やこれからやってみたい勉強に直結していきました。

まず、中学生の時に『蜻蛉日記』に出会ってから、古典文学作品に魅了されました。

物語や日記を読み通すと、当時の暮らしぶりがよく伝わってきて古文を身近に感じることに加え、授業で扱われた題材の背景がよく分かるのでおすすめです。特に、共通テストでは和歌の意味を問われたり、文章全体の把握を求められたりすることがあるので、学年に関わらず、まずは面白そうなものを手に取ってみると良いと思います。きっと楽しんでいるうちに背景知識を身につけられます。

 

また、多くの人が図書館の中に目を向けがちだと思いますが、外にある雑誌や新聞も活用できます。
まず、『CNN ENGLISH EXPRESS』という雑誌は、早稲田大学 国際教養学部の細かな用語の意味を問う問題の対策に役立ちました。実際に過去問や入試本番で、ここで学んだ単語の意味をそのまま問われました。次に、英字新聞は、英文の内容を一回読みで把握する力を鍛えたい人におすすめです。受験生にとっては時事問題への関心を深めつつ、英語の勉強ができる、一石二鳥の道具です。国際教養大学のような、自由英作文や小論文を出題する大学の対策にもなります。ここで挙げた大学は主に文系ですが、CNN・英字新聞の記事の中にはテクノロジーなど理系分野の記事も含まれています。これらはあまり借りる人がいないということで、宣伝になってしまいましたが、5〜10分程度で学習できるので、学年・文理に関わらず読んでみてほしいです。

次に、レファレンスについて紹介します。私はファームステイや短期留学を通して、和食文化について興味を持ちました。そこから視野を広げ、ベジタリアンにも関心を持ったので、司書の先生方に相談して参考になる本やサイトを教えていただきました。大学では、和食とベジタリアンの共通項を活かした外国人旅行者向けの観光について学んでみたいと考えています。図書館の本は勿論のことですが、興味を持つ分野について司書の先生方に相談すると、きっと様々なヒントを得られます。ぜひ、足を運んでみてください。

 

最後に、私は昼休みの図書館の窓側の席が好きでした。とても限定的ですが、明るい光が差し込む時間で開放感があり、目が疲れたら外を眺められる最高の場所です。図書館で自習をするのは朝や放課後が多いと思いますが、私は比較的人の少ない昼休みによく利用していました。お気に入りの時間帯やポジションがあると、勉強や読書が捗るのかもしれません。みなさんも、自分なりの図書館の活用方法を探してみてください。

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いかがでしょうか。

本も、場所も、司書も、どう使うかはあなた次第。

春休みは、あなたなりの「私の図書館」活用方法をみつける時間にしてみては?

 

◎本校図書館の紹介を少しします。

・雑誌ブラウジングコーナー

図書館には20タイトル以上の雑誌があります。

雑誌架のなかは、バックナンバーが入っていて、どれも貸し出しができます。

・特別展示コーナー

図書館では、みなさんが社会に目を向けられるようにいろいろな展示を組んで紹介もしています。

今は「あの日のこと 3・11」をテーマにしています。

最近入った本『チェルノブイリの折り 完全版』などもあります。すぐそばには新聞架も。

朝日・読売・毎日・日経・東京と5紙を比べることも。

見て、読んで、知る、手立てのひとつとして、図書館のぶらり歩きをおすすめします。(公共図書館でもこのような展示コーナーがあるところも多いものです。近隣の図書館を「散歩」してみてください。きっと発見がありますよ。)

 

(図書館 二井)