学園ブログ

高等部1・2年生HR 「ビキニ事件」について

11月24日(木)5時間目に高等部1・2年生対象とした講演会が開かれました。第五福竜丸展示館学芸員である市田真理さんをお招きし、1954年3月1日に起きたビキニ事件と、その被害を受け、今年の3月に亡くなられた大石又七さんについてお話を頂きました。大石さんは本校の近隣でクリーニング店を営んでいた縁があり、1997年から2017年まで本校にお越し頂き、ビキニ事件についてたくさんのお話をして頂いていました。

現在は第五福竜丸展示館にて展示されている第五福竜丸ですが、実は10年ほど夢の島にごみと一緒に捨てられていました。それを多くの人の声で、保存されることになったのです。広島、長崎、そしてビキニは日本の第三の核被ばくであると言われ、当時8000万人の日本の人口のうち、3200万人がその保存活動に署名したそうです。ただ、大石さんは「第五福竜丸を展示などして欲しくなかった」と言っていたそうです。それは、様々な思いがあっての発言だったそうですが、しかし大石さんは「でも、それはできない。放っておいたらビキニのこともみんな忘れていく。でも忘れてはいけないことなのだ。」と、本校への講演活動をはじめとして精力的にビキニ事件を後世に伝えてくれました。

大石さんと同じように第五福竜丸の乗組員だった久保山さんは、「原水爆の被害者は私で最後にしてほしい。」と、亡くなるまで訴えていました。その思いが果たされないまま、3人の娘さんを残されて亡くなられました。その写真がスクリーンに映されると、目を赤くしている生徒の姿も見られました。また、市田さんからはビキニ事件後も続く核実験の様子も紹介されました。

最後に市田さんのほうから、大石又七さんが本校生徒に伝えたった言葉が紹介されました。

「ものごとは前からだけでなく、横からも後ろからもみてください。そして真剣に学んで、真剣に怖がってください。」

人はなぜ学ぶのか、そして真実とは何なのか。ビキニ事件を通して、ただその悲惨さを感じるだけではない講演会となりました。この思いを高等部2年生は来週からの、そして高等部1年生は来年の学習体験旅行にいかしてくれることと思います。

(高等部1年学年付 山口)