高校生直木賞に参加しました
- 図書館教育
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第9回高校生直木賞(同実行委員会主催、文部科学省ほか後援)の選考会が、昨日5月22日オンラインにて開催されました。
連続5回目出場となる本校ももちろん参加しました。図書委員会を中心に校内読書会の参加者を募りました。
北海道から鹿児島県まで日本全国の高校38校がオンライン上にあつまり語り合いました。38校という数字はこれまでで最多だそうです。
約4時間半の読書会・討論会をへて、下記作品が受賞作に決定しました。
受賞作は 逢坂冬馬作
『同志少女よ、敵を撃て』(早川書房 )
本校から出場したSさんも、果敢に何度も手を挙げて、推していた本作品を語りました。
詳細は、今後文藝春秋の「オール讀物」7月号(6月22日発売)に掲載予定だそうです。
https://books.bunshun.jp/articles/-/7163
参加したSさんの感想です。
たくさんの高校生たちと互いに意見交換をした4時間は、とても濃密な時間でした。zoomだったこともあってか、皆で各々の本の感想を言い合っていく、
というような印象が当初は強かったです。しかし、それでもほかの人の感想によって自分の印象が変わった本が多くあって、これが対面で話し合えたらもっとすごいことになるだろうな、という高揚感を数日経った今でも思い出します。
特に受賞作となった『同志少女よ、敵を撃て』に関しては、ものすごく意見が分かれました。
人同士の感情に焦点を当てた本作は「戦争小説にしては爽快感、エンタメ性が強すぎる」と戦争の曲解を懸念した人や、「事実をその通りに描くと、苦しくてやめてしまう人もいるはず、これを最後まで読んで、何を感じたかを語り合ってこその作品だと思う」と本を読んでからの行動までを含んで作品を評価している人もいました。
私は、この本に対しては、「読んだ後に生まれた気持ちを大事にして欲しい本だな」、と受賞作を推した身として感じています。
戦争小説は、その時いた「誰か」に焦点を当てて、一個人として戦争を追体験できる本だと思っています。
「誰か」の視点で見たときに感じた感情を、授業で第二次世界大戦を学ぶとき、ニュースでウクライナの戦争が取り上げられた時に思い出すことに
この本の価値はあり、それこそ高校生直木賞に選ばれた理由だと考えます。
1冊を互いに読みあうこと、ほかの人の意見を聞き合うとおおくの発見があることを改めて感じた読書会でした。
なお、図書委員会の生徒が作成した「読書の栞」151号(一部抜粋)をこちらから読んでいただけます。
本校に来校の際には完全版をお渡しできます。どうぞ図書館でお声がけください。
(担当 二井)