学園ブログ

高1一日校外学習

6月14日の高等部1年生の一日校外学習では、東京都慰霊堂と神田川を訪れました。
その後、6月26日のホームルームには東京大空襲を体験された西尾静子さんをお招きして、お話を伺いました。
現在高等部1年生はホームルーム活動の一環として、来年度の九州での学習体験旅行に向け、平和・環境・国際の3つを柱として、学習しています。

東京都慰霊堂は、関東大震災と東京大空襲の被災者、被害者のご遺骨が安置されている場所です。
6月14日には東京都慰霊堂の中で学芸員の方からお話を聞き、その後東京都復興記念館の展示を見学しました。
東京都慰霊堂の外観は神社仏閣のようですが、中に入ると西洋や東洋の様式も取り入れられており、
様々な宗教の被災者やその家族が祈りをささげることができる場所になっています。設計者の心遣いが各所に見られました。

 

東京都復興記念館では関東大震災、東京大空襲の被害の様子を伝える展示が行われています。
当時の様子を伝える写真や遺品、画家が描いた絵画などがありました。
写真には荷車を引きながら避難している住民の方々の姿が写っており、その荷物に炎が燃え移り被害が拡大したとの説明がありました。
震災時は荷物を持たずに逃げるという教訓は、このような過去の被害の記録がもとになっているとわかり、
生徒たちは過去に起きたことを知り、自分たちが次の世代に伝えていかなくてはならないということを実感したようでした。
被災した児童が描いた絵画や絵日記の記録には赤やオレンジや黒のクレヨンが多々使われていて、当日の凄惨な様子が伝わってきました。

神田川では船に乗り込み、「神田川船の会」のガイドの方が解説をしてくださいました。
物流の効率化のために江戸時代には多くの水路が作られたそうです。
一つ一つの橋には歴史の名残があり、生徒たちは楽しみながら聞いていました。

6月26日のホームルームでは西尾静子さんのお話をお聞きしました。
西尾さんは東京大空襲の当時、幼稚園生だったそうです。
お母さまの背中におぶわれ、自宅そばの高校の校舎に避難されたお話をしてくださいました。
その時に見たことや聴いたことをご自身の言葉で語られ、生徒たちは真剣な表情で耳を傾けていました。
講演終了時にはたくさんの生徒が質問をし、西尾さんは一つ一つ丁寧に回答してくださっていました。

生徒たちはこれから1年間かけて学習し、来年の今頃には学習体験旅行へ行きます。
最初のきっかけとして、今回の校外学習や講演を通して、平和について考えることができました。

(高等部1年担任)